1日、香港の警察署に出頭した後、メディアの質問に答える周庭氏(藤本欣也撮影)
1日、香港の警察署に出頭した後、メディアの質問に答える周庭氏(藤本欣也撮影)

 【香港=藤本欣也】香港国家安全維持法(国安法)違反の疑いで逮捕され、保釈中の民主活動家の周庭(アグネス・チョウ)氏(23)が1日、警察に出頭し取り調べを受けた。

 終了後、保釈を継続された周氏は記者会見を行い、警察のこれまでの捜査で「日本経済新聞に昨年掲載した香港民主化運動に関する広告を証拠として示された」と明かし、「どうしてあの広告が国安法違反の犯罪証拠なのか警察の説明はまだない」と話した。

 周氏は、香港の日経新聞も捜査を受けたことに言及し、これからも「香港メディアだけでなく、日本のメディアや国際メディアにも弾圧や捜査があるかもしれない。国際メディアにとっても報道の自由への脅威だと思う」と指摘。国安法施行後、「香港政府はまるで鎖国のように、香港の情報を外に出さないようにしている」と述べ、外国メディアに香港への関心を持ち続けてほしいと語った。

 次の警察への出頭日は12月2日で、24歳の誕生日の前日という。国安法の罪で起訴されたら保釈が認められない可能性が高いとした上で、「小さな願いだが、12月3日は(拘置施設の)外で誕生日を過ごしたい」と述べた。