アメリカ大統領選

アメリカ大統領選挙は投票日まであと2か月となりました。世論調査では依然、野党 民主党のバイデン前副大統領がリードしているものの、トランプ大統領が追い上げを見せ、差が縮まる傾向にあります。

アメリカの大統領選挙は11月3日の投票日まで、3日であと2か月となりました。

政治情報サイト「リアル・クリア・ポリティクス」によりますと、全米を対象とした各種世論調査の支持率の平均値は2日時点で、▽トランプ大統領が42.3%、▽民主党のバイデン前副大統領が49.4%で、バイデン氏が7.1ポイントリードしています。

ただ、民主党が先月、バイデン氏とハリス上院議員を正副大統領候補に正式に指名した党大会の後もバイデン氏の支持率にほとんど変化が見られないのに対して、トランプ大統領は支持率を回復させていて、6月下旬には10ポイント前後あった両者の差は縮まる傾向にあります。

とりわけ、勝敗を左右するとされる、中西部ウィスコンシン州など、6つの州では、6ポイント余りあった差が2.5ポイントにまで縮まっています。

要因の1つには、人種差別への抗議デモをめぐって一部が暴徒化するなど治安の悪化が指摘されるなか、「法と秩序」を掲げ、過激なデモの取締り強化を訴えるトランプ大統領の姿勢が保守層を中心に支持を集めていることがあるとみられています。

政治専門サイトの「ポリティコ」が先月末に行った世論調査では、抗議デモを支持すると答えた有権者が6月と比べて9ポイント減っています。

追い上げをはかるトランプ大統領は、激戦州を頻繁に訪れて集会を開き、支持者に直接訴えかける選挙運動を展開しています。

一方のバイデン氏はこれまで新型コロナウイルスの感染対策として、自宅からのインターネットを通じた訴えが中心でしたが、激戦州での選挙運動を再開し、支持固めに力を入れる構えです。

今月下旬からは両党の正副大統領候補が直接、論戦を交わすテレビ討論会も行われる予定で、11月の大統領選挙に向けて選挙戦は激しさを増しています。

バイデン氏 ウィスコンシン州訪問へ

野党 民主党のバイデン氏は、黒人男性が警察官に背後から銃で撃たれたことへの抗議活動が続く中西部ウィスコンシン州を3日、夫人とともに訪れることを明らかにしました。

2日行った記者会見で、バイデン氏は「癒やしが必要だ。人々をひとつにしなければならない。私の訪問の目的はいま起きていることに前向きな影響を与えることだ」と述べました。

その上で「地域社会の指導者やビジネス界、法執行機関の人たちと何をなすべきかについて会談を行う」と述べ、事態の収拾を目指し、関係機関の代表らと協議を行う考えを明らかにしました。

また、バイデン氏は今月1日、現地を訪れたトランプ大統領について「あおるのではなく問題を解決しなくてはならないが大統領は行く先々で火に油を注いでいる」と述べて、トランプ大統領の対応が事態を悪化させていると批判しました。