ソフトバンクグループは14日、同社とソフトバンク・ビジョン・ファンドが保有する英半導体設計子会社のアームの全株式について、米エヌビディアへ最大400億ドル(約4.2兆円)で売却すると発表した。

  発表資料によると、英国や中国、欧州連合(EU)、米国を含む規制当局の承認などが必要で、取引の完了は2022年3月ごろとなる見通し。まずは契約時にアームに対し20億ドルが現金で支払われ、クロージング時にソフトバンクGやビジョン・ファンドに対し100億ドルが現金、215億ドルがエヌビディアの普通株式で支払われる。ビジョンファンドはエヌビディアの6.7%から8.1%を保有する見通し

  ソフトバンクGは、2016年9月に310億ドルで買収した。孫正義社長は8月の決算会見でアームについて、保有株式の一部あるいは全てを売却することを「選択肢の一つとして検討を開始している」と発言した。

  同社長は、もともと上場企業だったアームは23年の再上場を目指してきたと説明した上で、他社への売却の可能性を示唆した半面、「来年か再来年に上場するのももう一つの選択肢」とし、「ぎりぎりまでどういう選択肢がベストか、両方をにらみながら検討していきたい」と述べていた。交渉相手についてはノーコメントとしていた。