日米欧など8か国は14日、月探査で採取した宇宙資源の利用などに関する基本原則「アルテミス合意」の署名式を行った。米国主導の月探査「アルテミス計画」に関する初めての国際枠組みで、他国の活動に干渉しない「安全区域」の設定など、月探査の基本ルールを盛り込んだ。
署名は13日付。2024年までに宇宙飛行士を再び月面に送るアルテミス計画に参加・協力する日本、米国、カナダ、英国、イタリア、オーストラリア、ルクセンブルク、アラブ首長国連邦の8か国が合意した。
14日未明に行われたオンライン署名式には、日本から井上科学技術相と萩生田文部科学相が参加。井上科技相は「将来の国際ルール作りにとって大きな指針となる」とビデオメッセージを寄せた。米航空宇宙局(NASA)のジェームス・ブライデンスタイン長官は「アルテミス計画は歴史上最も多様な国際宇宙探査連合となる」と歓迎した。
合意文書は13項目で構成され、宇宙の平和利用原則の下、月面で採取した水や鉱物などの資源を所有・利用することを容認。このほか、飛行士が遭難した場合の助け合いや科学的データの共有など、探査活動中のルールを定めた。