2000年米大統領選でこの州の再集計を巡る連邦最高裁判断が勝敗を分けて以降、フロリダ州は開票の不手際で有名だが、新型コロナウイルス時代の郵便投票急増に対応し、効率的な選管モデルに移行する改革を実行した。

  フロリダ州(選挙人数29人)では期日前に投じられた票や郵便票の計数装置による読み込みが既に行われており、大統領選当日である11月3日が始まるころに大部分の集計を終える見通しだ。コンピューターは午後7時(日本時間4日午前9時)の投票締め切りとほぼ同時に集計結果を出せる状態という。

  選挙当日まで郵便票の集計を州法が認めていないペンシルベニアやウィスコンシン、ミシガンを含む他の激戦州と異なり、フロリダ州では素早く結果が出ることをそれは意味している。

  フロリダ州ヒルズボロ郡の選管担当者クレイグ・ラティマー氏は「投票締め切り後30分以内に最初の開票結果を発表することが求められている」と語った。

  ブレナン・センターの選挙権担当デピュティディレクター、ショーン・モラレスドイル氏は「フロリダでは開票プロセスの仕組みが他の場所より円滑に機能するだろう」と指摘した。ノースカロライナやアリゾナ州も期日前に届いた票を処理しており、投票締め切り後、迅速に結果が公表される見込みだ。

  それでも最終的な開票結果が接戦になれば、フロリダ州が問題となる可能性は残る。リアルクリアポリティクス・ドット・コムの世論調査の平均支持率を見ると、27日時点でトランプ米大統領が民主党候補のバイデン前副大統領をわずか0.4ポイントリードする情勢。開票結果の差が0.5ポイント以下の場合、フロリダの州法に基づき再集計が命じられる

  フロリダ国際大学のキャスリン・デパログールド教育専門教授(政治学)は、それほどの接戦にならない限り、勝者を知るために十分な開票結果は、日付が変わるまでに公表される可能性が高いと予想する。

  デパログールド教授は「フロリダ州でバイデン氏が勝てば、それで終わりだと思う。かなり早い段階で分かるのではないか」と述べ、逆にトランプ氏が同州で勝利すれば、より多くの州の開票が進むまで全米の結果は分からなくなるとの見方を示す。

  16年の大統領選でトランプ氏がフロリダ州を制したとAP通信が伝えたのは、選挙当日の午後10時50分のことだった。

フロリダ州の有権者の3分の2余りが期日前投票を予定Photographer: Marco Bello/Bloomberg

原題:Florida, Known for Botched Elections, Aims to be National Model(抜粋)