米国の新型コロナウイルス感染者数は9日に累計1000万人を突破した。今週中には入院者数も過去最多に達する恐れがあり、人口の多い中西部の州やメキシコとの国境沿いで急増している。

  バイデン次期米大統領は9日、13人から成るコロナ対策タスクフォースを発表。同タスクフォースとの会合後、「このパンデミック(世界的大流行)と闘うには大胆な行動が必要だ。米国には依然、非常に暗い冬がやってくる」と述べた。

バイデン次期大統領、米国の「暗い冬」を警告-新型コロナ感染拡大で

  ニュージャージー州ではわずか72時間で7000件余りの新規感染が報告されたことを受け、マーフィー知事が9日、午後10時以降のレストラン営業を禁じるなど新たな制限措置を発表した。12日から実施される。

  ニューヨーク州のクオモ知事は9日、コロナ封じ込めのため新たな感染ホットスポットに対策の照準を定める方針を示した。知事によると、8日時点のホットスポットを含む州全体の検査陽性率は2.8%。

  米ファイザーがドイツのビオンテックと開発しているコロナワクチン候補は、数万人が参加した治験で90%を超える確率で感染を防いだ。暫定結果が示した。今後の研究で安全性も確認されれば、規制当局に緊急使用許可(EUA)を申請する。

ファイザーの新型コロナワクチン、確率90%超で感染防ぐ暫定結果

  このワクチン候補について米国立アレルギー感染症研究所(NIAID)のアンソニー・ファウチ所長は9日の会見で、新型コロナとの闘いで「大きな影響」を及ぼすだろうと指摘。90%を超える有効性は「実に並外れている」と評価した。

ファウチ氏、ファイザーのワクチン候補を「並外れた」有効性と評価

  ユタ州のハーバート知事は9日、医療機関の負担があまりにも重くなり、州外からの入院を断る事態となっていると説明。州内の病院は「誰も受け入れられない状態の寸前にある」とした。

  ワイオミング州では9日、コロナ入院者数が過去最多の172人に増加。ワイオミング・メディカル・センターにある集中治療室(ICU)の病床19床のうち17床が使われている。キャスパー・スタートリビューン紙が伝えた。

  モンタナ州では9日、新たに470人が入院。3月以降の累計の約3分の1を占める。公式データが示した。ビリングズ・ガゼット紙によれば、同州でもICUが患者で埋まりつつある。

  ドイツでは重症患者数がパンデミックが始まって以降の最多となり、コロナウイルスを緊急に封じ込める必要性を浮き彫りにした。

原題:U.S. Cases Top 10 Million; New Surge in California: Virus Update(抜粋)