新型コロナの第3次感染拡大が深刻の度を増している。厚労省の発表によると昨日は国内で新たに計1520人の感染が判明した。1日当たりの新規感染者が2000人を下回るのは6日ぶり。連休による検査件数が減少した影響が大きい。感染に歯止めがかかったわけではない。愛媛県で26人の感染が判明、3日連続で過去最多を更新した。岩手県では初めて死者が確認された。感染は地方にも確実に広がっている。気になるのは重傷者の数だ。厚労省によると重症者の数は昨日、全国で331人となった。「第1波」ピーク時の328人(4月30日)を上回り過去最多になった。重症者用の病床使用率も各地で上昇しており、医療提供体制の逼迫が懸念される状況だ。大阪と北海道はGo Toトラベルの停止を表明した。状況は3月時点に似てきた。
ただ、メディアが伝える緊張感は3月時点と比べてまだ比較的余裕があるような気がする。特にこれといった理由があるわけではない。なんとなくそんな印象を受けるというだけだ。3月時点では未知なるウイルスに対して、訳のわからない不気味さがあった。あれから8カ月、コロナウイルスの正体が少しずつわかってきたことに加えて、治療や診療のやり方も確立、社会全体のウイルスに対する免疫力が強くなったせいかも知れない。加えて、ワクチンの開発が順調に進んでいるとの報道が緊張感の緩和につながっているような気がする。科学技術の進化によってウイルスとの戦いに勝利する可能性が見えてきた。感染者の数でみれば現時点の陽性者は第1次、第2次をはるかに上回っている。それでも3連休は全国の観光地が人出で溢れていた。
米国ではワクチンの摂取が12月中にもはじまるとの楽観論も流れている。ワクチンで集団免疫力ができればコロナのパンデミックは収束するというのだ。果たしてどうか。ロイターが22日に配信した記事は、「人口の3分の2が免疫を獲得すれば、パンデミックを食い止めることが可能で、地域社会もしくは国全体を守ることができるとの計算も聞かれる。しかし、こうした考え方には幾つかの『ただし書き』が付き、ワクチンが予防し得るかもしれないことにも多くの課題がある」と指摘する。興味のある方は「焦点:コロナ『集団免疫』、ワクチンでの獲得期待に潜む落とし穴」のご一読を。第3次感染の報道を見ながら個人的には改めて「うつらない、うつさない」原則を確認。コロナとの控えめな戦いの継続を自分自身に言い聞かせている。
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