11月の米大統領選で再選を阻まれたトランプ大統領の陣営が、選挙後に結果の無効を求める裁判費用の名目で支持者らから募った献金が1億7000万ドル(約177億円)に達した。ニューヨーク・タイムズ紙など米主要メディアが1日に報じた。資金は選挙活動の借金返済やトランプ氏の今後の政治活動に転用することが可能という。

 トランプ氏は1日、ホワイトハウスに共和党関係者を招いた会合で「素晴らしい4年間だった。あと4年頑張ろうと思うが、そうでなければ、4年後に会おう」とあいさつ。2024年大統領選出馬への可能性を示唆した。

 トランプ陣営は11月3日の投票日直後から、民主党のバイデン候補を勝利させるための「大規模な不正」があったと主張し、各地での法廷闘争の費用を募っている。陣営が支持者にメールなどで送った献金依頼は約500件に上る。

 今回は、選挙期間中1カ月の調達額として最高だった9月の8100万ドルをはるかに上回る額を4週間弱で集めた計算になる。献金の75%はトランプ氏の将来の政治活動の支援を目的に設立された資金管理団体に回るとみられている。

 一方、成果の上がっていない法廷闘争にいら立つ支持者から献金や寄付金の返還を求める声も上がっている。東部デラウェア州の会社経営者の男性は11月25日、トランプ支持者団体に寄付した250万ドルの返還を求め、連邦地裁に訴えを起こした。支持者団体から、大統領選で接戦州となった南部ジョージア▽東部ペンシルベニア▽中西部ウィスコンシン――の3州でバイデン氏勝利の結果を覆す裁判費用の寄付を求められたが、3州での提訴は取り下げられ、団体側から何も説明がなかったとしている。【ワシントン高本耕太】