[ワシントン 14日 ロイター] – トランプ米政権は14日、ロシア製地対空ミサイル「S400」の導入を進めるトルコに対し制裁を発動させた。トルコは「深刻な過ち」と非難しており、ともに北大西洋条約機構(NATO)加盟国である米国とトルコの関係が一段と悪化する恐れがある。

制裁はトルコ大統領府傘下の国防産業庁、およびその責任者のイスマイル・デミル氏と幹部3人を対象とするもの。

ポンペオ米国務長官は「ロシア製ミサイルの導入は米国の軍事技術と人員の安全性を危険にさらし、ロシアの防衛部門に大きな資金をもたらすと、米国はトルコに対し繰り返し最高レベルで明確に伝えてきた」と述べた。

アナリストは、トルコ経済が新型コロナウイルス感染拡大で圧迫を受ける中、今回の制裁措置は一段の重しになるとの見方を示している。

トルコのエルドアン大統領は米国の制裁措置発表直前、「NATO加盟国の米国からは制裁措置ではなく、テロ組織との戦いへの支援を期待している」と述べていた。