藤田孝典 | NPO法人ほっとプラス理事 聖学院大学心理福祉学部客員准教授

各種報道されている通り、本日から通常国会が開かれる。

菅総理大臣にとって初めてとなる通常国会が18日に召集され、新型コロナウイルス対策や「政治とカネ」の問題をめぐる論戦がスタートします。

市民に自粛要請やお願いばかり繰り返し、生活費の補償をしないまま、通常国会が開かれる。

お金配らないおじさんこと菅首相は、また演説で自粛要請、外出制限のお願いを繰り返し、市民の協力に対して言葉だけの感謝と敬意を口にするだろう。

また筋書き通り、官僚作文を丁寧に間違えずに読めるだろうか。それも心配である。

いくら作文を読み上げて、言葉だけで感謝や敬意を述べられても、市民生活は改善しない。

政策ビジョンなど持ち合わせていないので、また期待できないが、一応、何を発言されるのか、注目いただきたい。

幸いにも、通常国会の開会がステイホームやリモートワークの方も増えているので、注目されやすい状況である。

平時には政治に関心が薄くてもいいが、今は緊急時である。

緊急時に対応の責任者がどのような思いを語るのか、見てほしい。

内閣支持率をどんどん引き下げよう

各報道で明らかなように、菅政権の内閣支持率が低下し続けている。

読売新聞社が15~17日に実施した全国世論調査で、菅内閣の支持率は39%、不支持率は49%となり、初めて不支持が支持を逆転した。支持率の下落は3回連続。政府の新型コロナウイルス対策への強い不満が表れたとみられる。

内閣支持率がようやく低下してきたことは良いことである。

引き続き、補償なき自粛要請、補償なき緊急事態宣言に対して、静かに抗議していければいいだろう。

内閣支持率もどこまで引き下がるのか、注目していただきたい。

ただ、現在の日本では政府は単に株価を買い支えておけば、大きく内閣支持率が下がることはない。

安倍前首相のいわゆる「異次元金融緩和」政策は継続しており、多くの市場関係者が無条件で支持をするからだ。

日経平均株価はこのところ、菅首相の就任以降、高い水準を維持している。

つまり、資産家、企業家、株式保有者にとっては株価さえ買い支えておいてくれれば、首相など誰でも良いのである。首相などお飾りである。

もちろん、彼らは特別定額給付金など2回目の支給も必要としていない人たちだ。

新型コロナ禍でも株式を保有している人々は多くの利益を得ており、生活苦とは無縁の生活を送られている。

引き続き、これほどの高水準の株価であれば、株主たちに支えられて、前首相同様に、一定の内閣支持率で下げ止まるだろう。

そういう意味でも、株式など保有していない一般市民の多くの声が大事になってくる。

第一線でコロナ対応にあたっている保健医療福祉関係者は懸命に働いているし、他の分野のエッセンシャルワーカーたちも、新型コロナ感染のリスクがあるなか、就労を続けている。

株式の売買などを繰り返す市場関係者ではなく、懸命に社会を支えるために、現場で働く労働者の声が尊重されなければならない。

ぜひ引き続き、補償なき自粛要請はあってはならない、という声を首相官邸にメールで届けてほしいし、各個人がSNSなどで反対意思表明を続けてほしい。