[ワシントン 24日 ロイター] – 米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長は24日、下院金融サービス委員会で開かれた公聴会で証言し、インフレ目標の達成には3年超の期間を要する可能性があるとの認識を示した。金利が長期間にわたり低水準にとどまるという見通しが再確認された格好だ。

パウエル議長はインフレ率が2023年まで目標の2%を下回って推移するというFRBの見通しに関する議員からの質問に対し、「FRBは直面する課題を率直に認めている」と応じた。その上で「目標を達成できると確信しているが、3年超の時間がかかる可能性がある」と述べた。

米債利回りが上昇し、インフレ高進に焦点が当てられる中、早期利上げ観測が浮上しているものの、パウエル議長や他のFRB当局者は「指標見極め」姿勢を崩していない。

議長は「入手される実際のデータが、目標達成に近づいていることを示す必要がある」とし、政策変更前に具体的な進展を確認する必要があると強調した。

また、FRBによるデジタル通貨「デジタルドル」の開発や展開には、何らかの形で議会の承認が必要になり得るとの見解を示した。

今年はデジタルドル構想にとり重要な年になるとし、同構想を巡り社会との対話に取り組みたいと表明した。

さらに、FRBがデジタルドルを巡る「困難な」政策や技術上の疑問点を精査し、主にドル建てで取引が行われている主要市場の機能を阻害しないよう、慎重に行動すると強調した。

*情報を追加しました。