【ワシントン時事】米議会上院は6日、新型コロナウイルス危機を受けた1兆9000億ドル(約200兆円)規模の追加経済対策法案を一部修正し、賛成50、反対49の小差で可決した。1人最大1400ドル(約15万円)の現金を給付する。下院で9日にも再可決し、バイデン大統領の署名を経て14日までに成立する。1月の政権発足後、初めての大型財政政策となる。
国際通貨基金(IMF)は追加対策が発動されれば、米国の国内総生産(GDP)が今後3年で計5~6%押し上げられると分析している。米コロナ経済対策は累計で約6兆ドルと、GDPの3割に迫る異例の規模となる。
バイデン氏は6日、ホワイトハウスで演説し「追加対策で米国はコロナ克服の軌道に乗る」と強調した。景気回復のカギを握る追加対策をてこに、公約に据える大型インフラや環境対策への投資など、成長戦略の実現へ弾みをつける考えだ。
追加対策の柱はコロナ危機を受けて3度目となる現金給付。所得制限を厳しくし、対象を減らす修正を加えた。失業給付の上乗せは週400ドルから300ドルに減額した。
上院(定数100)は与野党が50議席ずつを占める。法案可決は原則60票の賛成が必要だが、与党民主党は単純過半数で可決できる特例を適用。共和党議員が1人欠席したため、賛否同数の場合に上院議長を兼任するハリス副大統領の賛成票が必要な事態にはならなかった。