[ニューヨーク 23日 ロイター] – ニューヨーク外為市場では、ドル指数が主要通貨バスケットに対し上昇し、約2週間ぶりの高値を付けた。安全資産としてのドルへの投資妙味が高まった。

テンパスの通貨トレーダー兼ストラテジスト、フアン・ペレス氏は、24日から米指標の発表が相次ぐことを指摘し、ファンダメンタルズが注目されていると述べた。さらに、新型コロナのパンデミック(世界的大流行)は「まだ終わったわけではなく」、ドル押し上げにつながったとの認識を示した。

新型コロナのワクチン接種が順調に進み、大型財政刺激策が米成長加速につながるとの見方から、ドル指数は年初来約2.4%上昇。しかし、世界市場にはなお懸念がくすぶっており、株式市場は世界的に下落した。

米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長が議会証言で、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)後の物価上昇が手に負えなくなることはなく、破壊的なインフレの発生につながることはないと述べたことを受け、米債利回りも低下した。

ドル指数は前日の下げから戻し、終盤の取引で通貨バスケットに対し0.65%高の91.8を付けた。ユーロ/ドルは0・71%安の1.1847ドル。ニュージーランドドルは一時3カ月ぶり安値に沈み、約2.27%安の0.70米ドルで推移した。

ニュージーランド政府は23日、住宅価格の高騰抑制に向け、投資家を対象とした税制措置や住宅供給拡大など一連の措置を発表した。豪ドルも1.54%安の0.763米ドル。

トルコリラは下げ一服商状。終盤は対ドルで約1.79%高で取引された。22日の取引では、エルドアン大統領が金融引き締めを進めてきたトルコ中央銀行のアーバル総裁を解任したことが嫌気され、約7.5%下落していた。