[ワシントン 28日 ロイター] – 米連邦準備理事会(FRB)は27─28日に開いた連邦公開市場委員会(FOMC)で、政策金利の据え置きと債券購入プログラムの月額購入額の維持を全会一致で決定した。米経済の力強さは増しているとしたが、経済回復支援策を縮小する用意があるとの兆候は示さなかった。

声明で「ワクチン接種の進展や強力な政策支援により経済活動や雇用の指標が強まった」と指摘。ただ「経済の道筋はワクチン展開など新型コロナウイルスの動向に大きく左右される」とし、「現在進行中の公衆衛生危機が経済活動を引き続き圧迫しており、見通しにはなおリスクがある」とした。

FRBは3月の声明で公衆衛生危機が「経済見通しに著しいリスクをもたらしている」としていたが、今回の声明ではウイルスに関するネガティブな表現がやや緩和した。

アナリストらは、ウイルスに関するネガティブな表現の緩和と経済に関する力強い文言はFRBが新型コロナ危機に対応する経済支援策の緩和に関する議論開始に向けて少なくとも小さな一歩を踏み出したことを示唆していると指摘。

F.L.パトナム・インベストメント・マネジメントのポートフォリオマネジャー、スティーブン・バイオリン氏は「テーパリング(量的金融緩和の段階的縮小)や最終的な利上げを正当化できるような、より力強い経済的状況に向かう中で非常に慎重になっている」と述べた。

ただ、FRBは経済状況の改善が示されているにもかかわらず、コロナ危機対応の緊急支援策の終了を検討する前に満たさなければならない一連の条件を変更しなかった。この条件は昨年12月に初めて示され、債券購入プログラム終了前の物価と雇用の目標達成に向けた「実質的な一段の進展」が含まれている。

パウエル議長は記者会見で、政策変更の議論開始について「まだその時期ではない」とし、経済が完全雇用に回復するには程遠いとの見解を改めて示した。

今回のFOMCでの金融政策据え置きは予想通りで、直後の金融市場の反応は限定的だった。S&P総合500種は横ばい圏で推移し、米長期債利回りは小幅上昇を維持、ドル指数はやや下落した。

声明を受け、フェデラルファンド(FF)金利先物市場では薄商いながら2023年3月に利上げが実施されるとの見方を完全に織り込んだ。

ユーロ/ドル先物市場では引き続き23年3月の利上げを完全に織り込んでいる。また、22年12月の利上げ確率は90%以上となった。