[ニューヨーク 15日 ロイター] – ニューヨーク外為市場で はドル指数が上昇。インフレ加速を示唆する米指標を受け、1カ月ぶり 高値を付けた。しかし、15─16日の米連邦公開市場委員会(FOM C)で、量的緩和縮小(テーパリング)の開始に向けた議論が行われる かどうかが注目される中、上値は重かった。

朝方発表された米指標では、5月の小売売上高が前月比1.3%減 少し、市場予想の0.8%減を超える落ち込みとなった。新型コロナウ イルスワクチンの接種が進む中、世界的大流行(パンデミック)の影響 で制限されていた旅行やその他の活動が可能となり、消費がモノからサ ービスにシフトする動きが見られる。

5月の米卸売物価指数(PPI、最終需要向け財・サービス)は前月比0.8%上昇と、前月から伸びが加速。前年同月比の伸びも6.6 %と、2010年11月以降で最大となった。

米バンク・オブ・アメリカ(BofA)が公表した6月の投資家調査によると、多くは物価上昇が一時的と考えており、米連邦準備理事会 (FRB)は9月までに金融緩和縮小を示唆するとみている。

BofAのアナリストは「最近のインフレの高まりが一部持続すれ ば、FRBは行動することが見込まれ、年末に向けてドルを支援するこ とになる」と述べた。

ロイターの調査では、約60%のエコノミストがテーパリングに関 する発表は7─9月期になると見込んでいる。

終盤の取引で、主要6通貨に対するドル指数は0.04%高 の90.529。一時、5月14日以来の高値となる90.677を付 けた。

ポンド/ドルは0.18%安。一時、1カ月ぶり安値に沈ん だものの、アナリストはポンドに対する強気な見方に変更はないとの見方を示した。

暗号資産(仮想通貨)では、ビットコインが4万ドル近辺で推移。14日の取引では、テスラのイーロン・マスク最高経営責任者(CEO)がビットコインでのテスラ車支払いを再び認める 可能性があるとツイートしたことを受け、約2週間ぶりに4万ドル台に 乗せた。

ドル/円 
 NY終値 110.07/110.10
   始値 110.06
   高値 110.15
   安値 110.03

 ユーロ/ドル 
 NY終値 1.2124/1.2128
   始値 1.2118
   高値 1.2130
   安値 1.2102