- 綱川社長、畠沢副社長のほか、社外取締役7人の選任は可決
- 企業価値上げたい気持ちは株主と同じ「積極的に対話続ける」と社長
東芝が25日に開催した定時株主総会で、永山治取締役会議長と小林伸行監査委員会委員の2人の取締役再任が否決された。そのほかの9人の取締役候補は承認された。
筆頭株主のエフィッシモ・キャピタル・マネジメントが選んだ弁護士による調査報告では、昨年の定時総会では東芝と経済産業省が一体となり株主の議決権行使を妨げるような行為があったと指摘されている。永山氏らに監督責任があると株主が判断した結果となった。
綱川智社長兼最高経営責任者(CEO)と畠沢守副社長のほか、社外取締役としてポール・ブロフ氏、ワイズマン広田綾子氏、ジェリー・ブラック氏、レイモンド・ゼイジ氏、綿引万里子氏、ジョージ・オルコット氏、橋本勝則氏の取締役選任案は可決された。
東芝解体の可能性も(午後2時30分)
シティグループ証券の江沢厚太アナリストはリポートで、今後株主が擁立する人物を中心に取締役候補者が選出され、臨時株主総会で承認される可能性が高いと予想する。綱川CEOがそのタイミングで退任し、株主の意思を反映する取締役会が誕生するとみているという。
可能性が高まったとは言えないとした上で、原子力事業の切り離しや株式公開買い付け(TOB)など、究極的な再建方法も検討されるかもしれないとの見方を示した。
信頼回復に自信(午後1時36分)
東芝のレイモンド・ゼイジ社外取締役は、総会開催後の電子メールでの取材に対し、取締役会は株主の議決権行使の結果を「明確に認識している」とコメント。同社の安定を維持しながら、株主からの信頼回復のために取締役会が「一丸となって取り組む必要があり、これを達成できると確信している」と述べた。
新たな時代に期待と株主(午後1時32分)
第2位株主であるシンガポールの資産運用会社の3Dインベストメント・パートナーズは総会後に発表した声明文で、総会の結果が「新たな時代の幕開けになることを期待している」とし、「東芝の将来と可能性に対して楽観的であり、今回の取締役会の変更を歓迎する」との見解を示した。
きょう中に取締役を開催、議長選任へ(午後1時7分)
東芝の広報担当者によると、同社はこれから定時取締役会を開き、議長や各委員会の構成を議論すると述べた。議長については決定後に適時開示する予定だとしている。
綱川氏の試練は続きそうだ(午後1時)
エース経済研究所の安田秀樹シニアアナリストは永山氏について、14日の会見でも東芝のガバナンス改革のため議長として具体的な計画を示せなかったと指摘。東芝は欠けた取締役の選任を急ぐだろうが、ステークホルダーの意見もさまざまで、「人選は多難を極めるだろう。綱川氏にとっては試練の時期が続きそうだ」と述べた。
株価は上昇に転じる(午後0時58分)
東芝の25日の株価は前日比マイナス圏で推移していたが、定時総会の採決後は上昇に転じ、一時前日比1.7%高の4925円と4月15日以来の日中高値に反発している。
永山氏否決(午後0時42分)
永山治取締役会議長と小林伸行監査委員会委員の2人の取締役再任案が否決された。そのほか9人の取締役候補は承認された。
積極的に対話続けたい(午後0時15分)
綱川氏は一般の株主もアクティビストも企業価値を上げて株主価値を上げたい気持ちは同じだとし、「積極的に対話続けていきたい」と話した。
東芝調査と弁護士調査の差(午後0時10分)
株主選任の弁護士による調査と東芝が行った調査が異なる結論を示したことについて、綱川氏は、データ量とデータのスコープが違うとし、東芝の調査は圧力の有無について着目しており、弁護士による調査でも確実にあるとは言い切れなかったと説明した。
「重く受け止めている」(午後0時)
綱川氏は調査報告書が示した圧力問題について、「重く受け止めている」とし、真相を解明して再発防止策を講じるため第3者を含めて調べてまいりたいと述べた。
「通常のこと」(午前11時30分)
綱川氏は不正圧力問題に関する質問に対し、事業について経産省に報告するのは「通常のこと」と回答。健全なやりとりや透明性のあるコミュニケーションを行っていきたいと話した。
株主質問始まる(午前11時23分)
会場に出席した株主からの質問が始まった。最初の質問は個人投資家からの永山議長の人物像について。綱川氏は、15年の不正会計問題時とは異なり、今回の問題では議長が適切に対応していると回答した。
買収提案受けていない(午前11時10分)
畠沢副社長は真摯(しんし)な買収提案には取締役会で真摯に評価し検討するとした上で、現時点でそのような提案は受領していないと話した
質疑応答が始まる(午前11時7分)
事前質問への一括回答から始まった。畠沢守副社長が回答を担当。
永山議長が登壇(午前11時1分)
弁護士の説明が終わると永山治取締役会議長が登壇し、「透明性の確保を図ってまいる」とガバナンスを改善する方針を示した。
アクティビスト排除(午前10時50分)
中村弁護士は、東芝と経産省が改正外為法を利用して物言う株主(アクティビスト)を排除しようとしていたと訴えた。
外為法の担当外(午前10時40分)
中村弁護士は東芝がやり取りしていた経産省の商務情報政策局が改正外為法の規制を所管する部署ではなかったことが一つのポイントだと指摘した。また、同省と一体となって株主の権利を妨げるような行為があったなかで、当時副社長だった豊原氏が中心的な役割を果たしていたと述べた。
圧力問題を説明(午前10時28分)
調査報告書の作成に携わった中村隆夫弁護士が圧力問題について説明を開始した。
エフィッシモ選任弁護士が説明(午前10時19分)
10日に開示された調査報告書の作成手順についてエフィッシモが選任し臨時株主総会で承認された前田陽司弁護士と木﨑孝氏が登壇して説明を始めた。
株主総会始まる(午前10時)
綱川氏は冒頭、「株主の皆さまをはじめ、ステークホルダーとの信頼回復に努めてまいる」と述べた。今回の株主総会には株主総会にはエフィッシモが選任した3弁護士も出席。運営状況を確認するため、東京地方裁判所選任の総会検査役が派遣された。