熱海市伊豆山で発生した大規模な土石流について、静岡県は4日、土石流の起点となった逢初川の上部で、開発行為に伴う盛り土の崩落が確認されたと明らかにした。崩れた盛り土は約5万立方メートルと推定され、周辺を含めると約10万立方メートルの土砂が流れ下ったとみている。盛り土の存在が土石流の被害拡大につながった可能性もあるとみて今後、開発行為の経緯を含めた原因の調査を進める方針。
【動画】土石流の起点付近 ドローン空撮映像
盛り土が確認されたのは逢初川河口から約2キロの標高390メートル地点。逢初川の起点より約400メートル西側で、盛り土前に谷になっていた地形の最奥に当たる。県が昨年取得した地形の電子データと2010年頃の国土交通省のデータを比較したところ、長さ約200メートル、幅約60メートルの盛り土が分かった。
県によると、土石流の最初の起点が盛り土だったのか、盛り土より下流側の崩落が盛り土の崩落を誘発したのかは現時点で分かっていない。崩れた盛り土の上部には車両が通行できる道が整備されていたが、開発行為の目的や時期も明らかになっていない。
県土採取等規制条例は面積千平方メートル以上、体積2千立方メートル以上の土地改変を行う場合、県に届け出をするように定めている。ただ、全国一律で盛り土を規制する法律はないため県内の自治体が国に整備を要請していた。
川勝平太知事は同日、ウェブ開催された全国知事会の広域災害対策本部会議で「雨が直接的な要因であり、開発と因果関係は明確ではないが、今後検証したい。防災の専門家の意見ももらい、全国知事会としても何らかの開発制限について国への提言など対応の強化が必要」と述べた。
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