【ベネチア時事】イタリア北部ベネチアで9日から開かれた日米欧と中国など20カ国・地域(G20)の財務相・中央銀行総裁会議は10日(日本時間11日未明)、新たな国際課税ルールで「歴史的な合意を成し遂げた」とする共同声明を採択し閉幕した。新ルールは、法人税の引き下げ競争に歯止めをかける15%以上の最低税率導入と、多国籍企業の税逃れを防ぐデジタル課税導入が柱。10月の最終合意、2023年の導入を目指す。
声明は、議論を主導する経済協力開発機構(OECD)が今月1日に大枠合意を公表した新ルールについて、「重要な構成項目を承認する」と明記した。OECDに課税ルールの詳細設計など「残された課題の迅速な解決」を求め、国際合意に加わっていない国・地域には参加を要請した。
新ルールのうち、法人税の最低税率は国際的に15%以上とする。デジタル課税は、売上高200億ユーロ(約2.6兆円)を超え、利益率10%超の企業が対象。事務レベルでは、議論に参加する139カ国・地域のうち約130カ国・地域が合意している。
麻生太郎財務相は会議後の記者会見で、「100年ぶりくらいの歴史的変化だ。強く歓迎している」と述べた。日本からは麻生氏と黒田東彦日銀総裁が出席した。