[北京 26日 ロイター] – 中国の謝鋒外務次官は26日、シャーマン米国務副長官と天津で会談し、会談の中で米中関係の膠着は米国の一部の人々が中国を「仮想敵」と見なしているためと指摘した。中国国営テレビが伝えた。 

謝次官は会談で「米中関係は膠着状態にあり、深刻な難題に直面している」と発言。「(米国は)中国を仮想敵とすることで、国の目的感を再燃させることを望んでいる」と述べた。

シャーマン副長官は、中国の王毅外相、謝次官と会談するため、25日に天津に到着。到着の前日、王外相は、米国が米中関係で見下したような立場を取ることは受け入れられないと述べていた。

シャーマン副長官は王外相と26日に会談予定。

米政府高官は24日、シャーマン副長官の訪中について説明し、米国は中国との競争を歓迎するが、公平な環境と、紛争を避けるための「ガードレール」を求めると述べていた。

米政府・議会は、香港や新疆ウイグル自治区を巡る中国政府の政策を公然と批判している。

両国は、バイデン政権発足後初となる対面会談を3月にアラスカで実施したが、中国側は米国の民主主義の状況を批判。米国は中国が会談でスタンドプレーをしたと非難していた。

その後も、両国関係の悪化は続き、制裁の報復合戦に至っている。

謝次官は26日、中国メディアに対し、米国側に、政府高官への制裁など、過去の中国への対応を「正す」要求項目のリストを提出したと述べた。

26日の米中次官級会談は中国の厳格な新型コロナウイルス対策に基づき、首都北京ではなく天津で開催され、会場となったホテルに海外メディアは入れず、中国メディアのみ立ち入りが許された。

シャーマン副長官は中国訪問後、28日にジュネーブで開催されるロシアとの核軍縮協議に出席する予定。