中国の不動産開発大手、中国恒大集団の株価が半分以下になると1月に予想し、的中させたUBSグループのアナリストらは、下げはまだまだ続くとみている。

  ジョン・ラム氏らがまとめた調査リポートによると、UBSは中国恒大の投資判断を「売り」で維持しつつ、今後1年間の目標株価を従来の6香港ドルから3.5香港ドルへと引き下げた。新たな目標株価は、26日の終値より40%低い。

  不動産会社として世界最大の債務を抱える同社は、財務の健全性について市場の不安を拭い去ることができずにいる。ここ数週間には銀行の懸念やサプライヤーに対する未払いを巡る報道が相次ぎ、株式、債券とも急落した。26日遅くには米格付け会社S&Pグローバル・レーティングが信用格付けを引き下げた。世界的な格付け会社による格下げは、約1カ月の間で3例目だった。

中国恒大を「B-」に2段階格下げ、見通し「ネガティブ」-S&P

  UBSはコメントを控えた。中国恒大に通常の営業時間外でコメントを求めたが応答はない。

  中国恒大は債務の77%が1年以内に返済期限を迎えるため、完成前物件の売り上げを促進しようと価格の引き下げを続ける可能性があり、これが利益や利幅に大きく影響するだろうとUBSのアナリストは指摘。同社は有利子負債を削減したが、商業手形やその他短期債務を含む負債総額は昨年に過去最大の1兆9500億元(約33兆円)に膨らんだ。

原題:UBS Analysts Who Predicted Evergrande Rout See Another 40% Drop(抜粋)