• マインドティクルの企業価値は2倍強の12億ドルに
  • ソフトバンクグループは1億ドルの資金調達ラウンドを主導した

インドのソフトウエア・アズ・ア・サービス(SaaS)企業マインドティクルは、ソフトバンクグループが主導した資金調達ラウンドで企業価値評価が12億ドル(約1320億円)となり、ユニコーン(企業価値10億ドル以上の未公開企業)の仲間入りをした。世界の投資家は成長著しいインドのテクノロジー業界に資金を投じている。

  1億ドルの調達ラウンドにはノーウェスト・ベンチャー・パートナーズやクアルコム・ベンチャーズなどの既存投資家も参加し、マインドティクルの企業価値は2倍強になった。昨年11月の1億ドルの調達ラウンドもソフトバンクGが主導していた。今回を合わせ調達額累計は2億8100万ドルに達したと、マインドティクルが5日の発表資料で明らかにした。

  インド西部プネーと米サンフランシスコを本拠とするマインドティクルは、人工知能(AI)を駆使して売り上げと製品知識、競合他社の認識を向上させる販売ツールを提供する。ユーザー企業は自社のコンテンツとデータに基づいてマインドティクルのテンプレートをカスタマイズしたり、顧客フィードバックを分析し組み込んだりすることができる。同社は調達した資金を顧客拡大や買収、製品改良の費用に充てるとしている。

  インドには1000社余りのSaaS関連スタートアップがあり、コンサルタント会社マッキンゼーとインドのソフトウエア業界団体ナスコム、SaaS業界団体SaasBOOMiの最近のリポートによれば、年間の使用料収入は合計で30億ドルにも上る。

  SaaSのユニコーンは2030年までに10倍に増えて企業価値は1兆ドルに達し、50万人の雇用を創出する可能性があるともリポートは予測した。

  マインドティクル共同創業者のクリシュナ・デプラ最高経営責任者(CEO)はビデオインタビューで、「過去12カ月は大半の企業がリモートおよびデジタル変革モードだった。こうした中でセールススキルは極めて重要なものになる」と指摘。「セールス担当者が顧客と接し得る短い時間で成果が出せるように再訓練することが最重要になり、市場機会は4倍となった」と語った。

原題:SoftBank Funding Turns India Startup Mindtickle Into Unicorn(抜粋)