[ワシントン 27日 ロイター] – バイデン米大統領の補佐官らは27日、アフガニスタンの首都カブールで新たな攻撃が発生する公算が大きく、アフガンからの退避活動は向こう数日間が最も危険になるとバイデン氏に警鐘を鳴らしたと、ホワイトハウスのサキ報道官が明らかにした。

サキ報道官はまた、31日の駐留米軍撤退後も、アフガンを掌握したイスラム主義組織タリバンとの関わりが必要になるとバイデン政権は考えているとした。

首都カブールでは26日、自爆攻撃により米兵13人を含め、少なくとも92人が死亡。過激派組織「イスラム国」(IS)が犯行声明を発表した。米国防総省は27日、自爆攻撃について、実行犯は1人だったとの見解を発表した。

国連安全保障理事会は、自爆攻撃を「忌まわしい」と非難する声明を発表。「民間人や退避を支援する要員を意図的に標的とした攻撃は極めて忌まわしく、非難されるべき」とし、民間人の安全な退避を尊重し、促進するよう全ての当事者に呼び掛けた。

ホワイトハウスによると、26日にアフガンから米国人300超を含め約1万2500人が出国し、14日以降の退避者は約10万5000人、7月末以降では約11万0600人に達した。このうち14日以降に退避した米国人は少なくとも5100人で、現時点でアフガンに残り、出国を希望している米国人は500人程度という。

こうした中、米国務省のプライス報道官は、タリバンが米政府に対し、アフガニスタンの大使館の存続を望むと明確に示したと明らかにした。

タリバンの幹部2人によると、タリバン軍はカブール空港内に陣を構えており、米軍が撤退し次第、早ければ今週末にも完全占拠する準備が整っていると発言。これに対し、米国防総省のカービー報道官は、現時点でタリバン軍がカブール空港のいかなる区域も支配している事実はなく、米軍が完全に掌握していると確認した。

北大西洋条約機構(NATO)の同盟国は、カブール空港が来週タリバンに引き渡された後も、緊急に必要とされる人道支援のための運航を確保できるよう、必死に働き掛けている。

タリバンの支配により自由な移動が極端に制限されるとの懸念が根強い中、タリバン幹部は、有効な文書を持っていればアフガン人は将来的にいつでも渡航できると強調した。