【ワシントン=田島大志】米政府は29日、アフガニスタン情勢を巡り日本や英国など11か国・機関による閣僚級会合を30日(日本時間31日)にオンラインで開催すると発表した。米国はアフガン駐留軍を31日に完全撤収させる方針を改めて説明し、各国による退避作戦の継続に向けた協力策などを調整する見通しだ。
会合には日米英のほか、カナダ、フランス、ドイツ、イタリア、トルコ、カタール、欧州連合(EU)、北大西洋条約機構(NATO)が参加する。米国からはブリンケン国務長官が出席する予定で、米軍撤退以降、空港も支配するとみられるイスラム主義勢力タリバンへの対処を巡り、協力国と足並みをそろえる考えだ。
また、日米欧やアジア、アフリカなどの98か国・機関は29日、渡航先を確保してアフガンから退避するアフガン人や外国人らの安全確保に向け、「タリバンからの保証を受けた」とする共同声明を発表した。各国が退避者の入国の便宜を図ることも確約した。
ブリンケン氏は29日の米ABCの番組で、「我々はタリバンに約束を守らせるための大きな影響力を持っている」と述べ、退避作戦の継続に自信を示した。米NBCの番組では、「9月1日に(米国が)現場での外交的な存在感があるかといえば、そうなりそうにない」と述べ、アフガンから外交官も撤収することを示唆した。
一方、米軍は29日、アフガンの首都カブールの空港付近で、イスラム過激派組織「イスラム国」の車両を無人機で空爆した。車両は大量の爆弾を積んでおり、新たな自爆テロを阻止するために攻撃したという。
米CNNは目撃者の情報として、攻撃の巻き添えで子供6人を含む民間人9人が死亡したと報じた。米中央軍は、民間人の被害は確認できていないとしている。