[ニューヨーク 31日 ロイター] – ニューヨーク外為市場では、ドル指数が約3週間ぶりの安値を付けた。市場では米連邦準備理事会(FRB)のテーパリング(量的緩和の縮小)を巡る手掛かりを得ようと、週内に発表される雇用統計に注目が集まっている。

パウエルFRB議長は27日に年次経済シンポジウム(ジャクソンホール会議)で行った講演で、テーパリング開始は年内が適切との見方を示しながらも、利上げは急がない姿勢を表明。以来、ドルは圧迫されている。

エクスチェンジ・バンク・オブ・カナダ(トロント)の外為戦略部門責任者、エリック・ブレガー氏は、労働省が9月3日に発表する8月の雇用統計について「内容が予想を下回れば、FRBは9月にテーパリングを発表しないとの見方が濃厚になり、ハト派が勢い付く」と述べた。

この日発表の経済指標では、米S&Pダウ・ジョーンズ・インディシーズの6月のS&Pコアロジック・ケース・シラー住宅価格指数(主要20都市)が前年比19.1%上昇し、過去最高の伸びを記録。これを受け、ドルは下げ幅を縮小した。

ただその後に発表されたコンファレンス・ボード(CB)の8月の米消費者信頼感指数が113.8と、2月以来の低水準となったことで、ドルは再び下向いた。

こうした中、FRBがテーパリングに着手する時期を探ろうと、週内に発表される一連の経済指標に注目が集まっている。ブレガー氏は「これら全てはある程度の影響を及ぼすが、大きな動きとしては、雇用統計まで待たなければならない」と述べた。

アナリストは、この日は月末特有のポートフォリオ調整の影響で、カナダドル、英ポンド、スイスフランなどにドルから資金が流れた可能性があるとの見方を示している。

主要6通貨に対するドル指数は0.065%安。一時は92.395と、8月6日以来の安値を付けた。ただ月初からはまだ0.6%以上高い水準にある。

ユーロは0.12%高の1.1809ドル。

英ポンドは一時1.3807ドルと、2週間ぶり高値を付けたが、その後は0.04%安の1.3753ドル。

円は対ドルで0.04%安の109.96円。

暗号資産(仮想通貨)のビットコインは0.49%高の4万7235.84ドル。イーサは4.95%高の3386.14ドル。一時は3475ドルと、5月18日以来の高値を付けた。8月全体では30%以上上昇。1カ月の上昇率としては4月以来の大きさになる見通し。

ドル/円 NY終値 110.02/110.05

始値 109.93

高値 110.07

安値 109.60

ユーロ/ドル NY終値 1.1807/1.1811

始値 1.1832

高値 1.1847

安値 1.1797