[8日 ロイター] – 格付け会社フィッチは8日、中国の不動産開発大手、中国恒大集団と子会社2社の外貨建て長期発行体デフォルト格付を「CCCプラス」から「CC」に引き下げたと発表した。前日にムーディーズ・インベスターズ・サービスも格下げを発表している。

フィッチは、恒大集団と子会社1社の無担保普通社債の格付けも「CCC」から「C」に下げた。

フィッチは、「格下げは何らかのデフォルト(債務不履行)の可能性が高いという当社の見方を反映している。流動性の逼迫、販売契約数の減少、サプライヤーおよび請負業者への支払いの遅れを解消する必要性、資産処分の進展の少なさを踏まえると信用リスクは高いと考える」とした。

不動産管理部門の恒大物業集団と新エネルギー車部門の中国恒大新能源汽車集団の売却については、進展している兆しが乏しいとし、両社の売却を巡る「多大な執行リスク」があると指摘。オフショア債の利払いが不履行になる確率が上昇したとしている。

年内に償還期限を迎える恒大集団の社債はないが、フィッチは9月だけで1億2900万ドル、年内に8億5000万ドルの利払いが必要になると試算している。

恒大集団を巡っては、中国の格付け会社、中誠信国際信用評級(CCXI)が先週、格下げを発表。深セン証券取引所で取引されている同社の2023年5月償還債の価格はそれ以降、50%近く急落した。

恒大集団の株価は8日序盤の取引で一時3.08%急落したが、その後、下げ幅を縮小した。

デュレーション・ファイナンスのデータによると、オフショア債は、2025年6月償還債が一時下落後に上昇。約1セント高の27.48となっている。

香港のあるポートフォリオマネジャーは、26セントは「良いエントリーポイントだ」と述べた。

23年5月債は2.86%安の33.998元。