[ニューヨーク 8日 ロイター] – ニューヨーク外為市場では 、ドルが上げ幅を縮小した。米連邦準備理事会(FRB)が地区連銀経 済報告(ベージュブック)でハト派的な認識を示したことを受け、米国債利回りが低下したことが重しとなった。

ニューヨーク連銀のウィリアムズ総裁はこの日、労働市場について はさらなる進展が必要としながらも、国内経済の改善が続いた場合、FRBは年内にテーパリング(量的緩和の縮小)を開始することが適切に なり得るという考えを示した。

OANDA(ニューヨーク)のシニア市場アナリスト、エドワード ・モヤ氏は「FRBは向こう数カ月で経済がどのように展開するか見極 めようと、明らかに様子見モードに入っている」と指摘。「ウィリアムズ総裁の発言は幾分かハト派的で、テーパリング着手時期は早くても1 2月になるという考えを裏付けるものだった」と述べた。

FRBは午後に公表した地区連銀経済報告(ベージュブック)で、 新型コロナウイルス感染再拡大で景気回復に影響が出るとの懸念が増大する中、米経済成長は7月初旬から8月にかけて「緩やかな」ペースにやや減速したとの認識を示した。

主要6通貨に対するドル指数は一時92.86と、8月27 日以来の水準に上昇。終盤の取引では0.14%高の92.66。

欧州中央銀行(ECB)理事会を翌日に控え、ユーロは 0.13%安の1.1823ドル。ECB理事会メンバーのホルツマン・オーストリア中銀総裁はEu rofi誌への寄稿で、インフレ圧力がより持続的となればECBの金融引き締めは大方の予想より早まる可能性があると指摘した。

ロイターが実施したアナリスト調査で、ECBのパンデミック緊急購入プログラム(PEPP)の買い入れ額について、現在の月額800 億ユーロから600億ユーロまで縮小され、来年3月の終了を前に年明 以降に一段と縮小されるとの見方が示された。

カナダドルも米ドルに対して下落。カナダ銀行(中央銀行 )はこの日、政策金利である翌日物金利の誘導目標を予想通り過去最低 の0.25%に据え置くとともに、毎週の国債純買い入れ額を20億カ ナダドルに維持することを決定した。

暗号資産(仮想通貨)のビットコインは1.22%安の 4万6283ドル。前日は中米エルサルバドルがビットコインを法定通貨としたことを受け急激な値動きをみせたが、この日は落ち着きを取り 戻した。

ドル/円 
     NY終値 110.23/110.26
       始値 110.23
       高値 110.39
       安値 110.16

ユーロ/ドル 
     NY終値 1.1813/1.1817
       始値 1.1816
       高値 1.1829
安値 1.1803