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海で養殖が盛んに行われているマガキは卵からふ化した直後の時期に何を餌としているのかこれまで謎とされてきましたが、極めて小さな新種のプランクトンを食べていることを水産研究・教育機構の研究グループが明らかにし、養殖技術への応用が期待されています。
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マガキは大きくなると植物プランクトンを食べて成長していますが、卵からふ化して海中を漂う幼生の時期は何を食べているのか確認されたことがなく、これまで謎とされてきました。
水産研究・教育機構の浜口昌巳さんらの研究グループは広島湾でとったカキの幼生の消化管の内容物を最新のDNA分析技術を使って解析しました。
その結果、2種類の「けいそう」と呼ばれるプランクトンの仲間の新種が検出されたということです。
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どちらも直径5マイクロメートルほどの円柱形で、一般的な「けいそう」よりも十分の一程度の極めて小さな特殊な種類だとしています。
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カキの幼生にこの新種の「けいそう」を加えると食べる様子が確認できたということです。
この新種の「けいそう」は極めて小さいことから、これまでは大きなプランクトンの死がいのかけらなどと思われていて十分に研究されてきませんでしたが、改めて調べると、カキの幼生が豊富にいる海域で多く生息していることが分かったということです。
水産研究・教育機構の浜口昌巳さんは「これまでは生き物であることすら分からなかったものなので驚いた。カキの幼生を採取する技術への応用などが期待できる」と話していました。