自民党の岸田文雄総裁(64)は、4日召集の臨時国会で首相に就任後、14日に衆院解散に踏み切る意向を固めた。衆院選は「26日公示―11月7日投開票」の日程とする方針だ。閣僚人事では、茂木敏充外相(65)の再任が決まった。萩生田光一・文部科学相(58)の閣僚起用と金子恭之・元国土交通副大臣(60)の初入閣も内定した。

 岸田氏は4日に新内閣を発足させ、8日に所信表明演説に臨む。11~13日に演説に対する各党代表質問を行った後に衆院を解散する。新型コロナウイルスの感染が落ち着いていることに加え、コロナ対策を盛り込んだ2021年度補正予算案を年内に成立させ、22年度予算案の編成に万全を期すため、早期に衆院選を行う必要があると判断した。

 衆院選前に数十兆円規模の経済対策の策定を指示し、自民党の公約に掲げて選挙戦に臨む考えだ。30日にイタリア・ローマで行われる主要20か国・地域(G20)首脳会議に出席し、米国のバイデン大統領と首脳会談を行うことを調整している。実現すれば、公示直後に外遊する異例のケースとなる。

 これに関連し、自民党の森山裕国会対策委員長は1日、立憲民主党の安住淳国対委員長と会談し、臨時国会の会期を14日までの11日間とすることで合意した。

 一方、閣僚人事では、すでに官房長官に松野博一・元文部科学相(59)、財務相に鈴木俊一・元総務会長(68)が内定している。初入閣としては、竹下派の西銘恒三郎・元経済産業副大臣(67)、麻生派の山際大志郎・元経産副大臣(53)が浮上している。官房副長官には、すでに内定した木原誠二衆院議員(51)のほか、磯崎仁彦参院議員(64)を起用する。

自民新執行部が発足

 自民党は1日、新たな党役員人事を決めた。幹事長には甘利明税制調査会長(72)が就任。総務会長には、当選3回の福田達夫衆院議員(54)を抜てきした。政調会長に高市早苗・前総務相(60)、選挙対策委員長に遠藤利明・元五輪相(71)が就いた。国対委員長には高木毅衆院議院運営委員長(65)を充てる方針だが、臨時国会会期中は森山氏が続投する。

 岸田氏はその後、公明党の山口代表と国会内で会談し、新型コロナウイルス対策と経済再生に最優先に取り組むことなどを盛り込んだ連立政権合意に署名した。