• ルービニ氏の見解、アトランタ連銀総裁はタカ派姿勢
  • IMF世界経済見通し、EU初のグリーンボンド、中国不動産市場

インフレ高進と景気停滞が同時に起こる「スタグフレーション」が話題となる中、ウォール街の著名エコノミストが米国の利上げ先送りの可能性に言及しました。一方、地区連銀総裁の1人は来年に利上げを予想より速いペースで進めることを否定しませんでした。物価動向が落ち着くのが先か、景気腰折れが先か。景気とインフレ、両にらみの状態が続きそうです。以下は一日を始めるにあたって押さえておきたい5本のニュース。

ひるむ

2008年の住宅ローン市場崩壊を予見したヌリエル・ルービニ氏は経済成長が減速し、2018年10ー12月(第4四半期)のように相場が急落した場合、「金融当局はひるむだろう」と述べ、「テーパリングの完了もしくは利上げを先延ばしするだろう」と予想した。スタグフレーションについては「数四半期にわたって」続くと予測。個人消費支出(PCE)コア価格指数の上昇率は来年3%を超える水準で推移するとの見通しを示した。

一過性ではない

アトランタ連銀のボスティック総裁は2022年に1回の利上げがあると予想しながらも、もっと迅速な行動が必要になる場合に備え「オープンな姿勢」を維持しているとも付け加えた。サプライチェーンの混乱やサービス業の再開による価格高騰は持続する可能性が高く、経済のより多くの部分に広がっているようだと述べ、物価上昇の力は一過性ものではないとの見方を示した。

格差に警鐘

国際通貨基金(IMF)は最新の世界経済見通し(WEO)で、今年の世界成長率見通しを5.9%と、7月時点の予想から0.1ポイント引き下げた。新型コロナウイルス禍からの堅調な回復を引き続き見込んでいるものの、回復の勢いの衰えと国・地域間の格差の拡大に懸念を表明した。2022年の予想は4.9%で据え置いた。日本の予想は、今年が下方修正されたものの、22年は引き上げられた。

EU初

欧州連合(EU)はグリーンボンドを初めて起債し、1本のグリーンボンドとして過去最高の規模となった。2037年償還のグリーンボンドは発行額120億ユーロに対し、1350億ユーロ(約17兆7000億円)余りの需要を集めた。需要、発行額とも英国が9月に初めてグリーンボンドを発行した際の記録を塗り替えた。EUは向こう数年で合わせて最大2500億ユーロのグリーンボンドを発行する予定。

戦々恐々

中国で不動産開発を手掛ける新力控股集団は、今月18日に期限を迎える社債2億5000万ドル(約280億円)相当を償還できるとは見込んでおらず、その他2銘柄でクロスデフォルトを招く可能性があると発表した。不動産業界では波及リスクが高まっており、投資家らは他にどこが資金不足に陥る恐れがあるのか推測を余儀なくされている。

その他の注目ニュース

ドイツZEW景気期待指数が5カ月連続の悪化、原材料不足が圧迫

クラリダFRB副議長、テーパリング開始の条件「ほぼ満たされた」

アップル「MacBook Pro」5年ぶりに刷新-10月18日に新機種発表