[上海  28日 ロイター] – 英グラスゴーで国連気候変動枠組み条約第26回締約国会議(COP26)が31日に始まるのを前に、中国は気候変動対策のための最新の国別削減目標(NDC)を提出した。国連が28日、明らかにした。二酸化炭素(CO2)の排出削減を進めることを公約したが、新規の目標は示さなかった。

国連気候変動枠組み条約(UNFCCC)のウェブサイトに掲載された提出文書によると、中国は2030年までにCO2の排出量をピークアウトさせ、60年までに排出量を実質的にゼロにする「カーボンニュートラル」を実現することを目標とする。習近平国家主席の以前の公約をそのまま反映している。

世界最大の温室効果ガス排出国である中国は、一次エネルギー消費に占める非化石燃料の割合を30年までに25%とし、従来公約の20%から引き上げることや、風力・太陽光発電の能力を1200ギガワット超に増やすことを正式に表明した。

NDCは、定期的に国連に提出すべき拘束力のない国別気候変動計画で、15年に採択されたパリ協定の一環となる。各国は可能であれば「より積極的性を増す」ことが期待されている。

一部の専門家は、COP26を前に中国がさらなる削減を打ち出すことを期待していた。

グリーンピース・チャイナの政策アドバイザーの李碩氏は、中国が新たな公約を提示しなかったことは「世界の気候変動への取り組みに影を落とす」とし、「中国は国内経済の不確実性を踏まえ、より強力な短期目標の採用をためらっているように見える。積極的な姿勢を示す機会を逃した」とコメントした。