[24日 ロイター] – 米連邦準備理事会(FRB)が24日に公表した11月2─3日の連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨で、高インフレが続けば債券買い入れプログラムの縮小ペースを加速させ、より迅速に利上げを実施することに複数の政策当局者が前向きな姿勢を見せていたことが分かった。

多くの政策当局者が物価上昇圧力がより長続きする可能性を示唆しており、FRB内でインフレ高進への不安が定着していることを示した。

議事録は「様々な参加者が、インフレ率が目標水準よりも高くなり続けた場合、FOMCは資産購入のペースを調整し、フェデラルファンド(FF)金利の誘導目標レンジを参加者が現在予想しているよりも早期に引き上げる態勢を整えるべきと指摘した」とした。

量的緩和の縮小(テーパリング)ペースを速めることを支持する意見が多かったことも明らかとなった。

2─3日のFOMCで、FRBは11月にテーパリングを開始すると決定。資産購入を月額150億ドルのペースで縮小し、2022年半ばにも買い入れを終える見通し。

しかし、FOMC後も高インフレが続き、雇用が増加する中、一部のFRB当局者の間からは必要に応じ利上げを実施できる柔軟性を持たせるよう、テーパリングのペース加速を求める声が高まっている。

議事録の発表に対する金融市場の反応は落ち着いていた。米国株式はほぼ横ばい、FRBの政策見通しに最も敏感な短期国債の利回りは小幅上昇し、安定的に推移した。ドルは主要貿易相手国の通貨に対し、20年7月以来の高値付近で取引された。