政府は6日、安定的な皇位継承策などを議論する有識者会議(座長・清家篤元慶応義塾長)を首相官邸で開き、皇族数の確保策として①女性皇族が婚姻後も皇室に残る②旧宮家の男系男子が養子縁組などで皇籍復帰する-の2案を盛り込んだ報告書の骨子案を了承した。月内にも開く次回会合で、骨子案に沿って最終報告書を取りまとめる。
清家氏は会合後、皇族数の確保策として示された2案について「(実現するのは)どちらかではなく、どちらもということではないかと理解している。皇族数を確保するためにはどちらも可能性としてあり、客観的にこういう選択肢があり得るということだ」と述べた。この日の会合では、2案を具体的に運用した場合の課題などについて意見が出たという。
6日に示された骨子案には、戦後に皇籍を離脱した旧11宮家の男系男子の皇籍復帰案を記載した。旧宮家の男系男子は皇籍離脱するまでは現行憲法や皇室典範の規定により、皇位継承資格を保持していた。
小泉純一郎政権は平成17年に女性天皇や女系への皇位継承資格の拡大を認める報告書を、野田佳彦政権は24年に女性宮家創設の検討を求める論点整理をそれぞれ公表したが、旧宮家の男系男子の皇籍復帰案には消極的だった。
有識者会議は今年3月から皇位継承策や皇族数の確保策などを議論し、専門家からのヒアリングなども行ってきた。
7月の中間整理では、天皇陛下から秋篠宮さま、秋篠宮さまの長男、悠仁さまという「皇位継承の流れをゆるがせにしてはならない」と指摘。皇族数の確保を「喫緊の課題」として検討を進めていた。
現在、皇位継承資格を持つのは①秋篠宮さま②悠仁さま③上皇さまの弟の常陸宮さま-の3方で戦後最少となっている。さらに秋篠宮さまの長女、眞子さんが小室圭氏との結婚に伴って皇籍を離脱し、皇族の方々は17方に減っている。
前回11月30日の会合では、事務局が女性皇族が婚姻後も皇室に残る案に関し、「恒久的な制度とすることが適当ではないか」などと報告していた。