Augusta Saraiva、Alessandra Migliaccio

  • 超富裕層約2750人が世界の富の3.5%を支配、95年は1%-リポート
  • 超富裕層資産はコロナ危機で3.6兆ユーロ増、一方で1億人が極貧入り

世界全体の富のうち超富裕層が保有する割合は新型コロナウイルス危機時に過去最高に達したことが、フランスの経済学者トマ・ピケティ氏が設立した世界不平等研究所の調査でわかった。

  7日発表のリポートによれば、超富裕層の2750人前後が世界の富の3.5%を支配している。1995年にこの割合は1%だった。超富裕層が富を増やすペースは新型コロナのパンデミック(世界的大流行)以降に最も加速したという。一方、地球人口の半分を占める下位層が所有する世界の富は2%程度にすぎない。

  今回の発表は、ワクチンや財源不足によって発展途上国が先進国以上に打撃を受け、コロナ危機の間に格差が悪化したとの主張を後押しする内容だ。先進国でも金融・不動産市場が昨年の低迷から大幅に回復したことによって国内で格差が開いている。

  リポート作成者の1人で同研究所の共同ディレクター、ルーカス・チャンセル氏はインタビューで、「コロナ危機前から世界は既に極めて不平等だったが、それにも増して今やここまで格差が広がった」と語った。同氏によれば、超富裕層がコロナ危機の間に増やした富は3兆6000億ユーロ(約460兆円)。世界銀行はこの期間に世界で1億人程度が極度の貧困に陥ったと推計している。

原題:Pandemic Is Golden Age for Billionaire Wealth, Piketty Lab Says(抜粋)