S&P500種株価指数は4営業日続伸し、今年69回目の最高値更新となりました。相場の季節性などの統計を集めた「株式トレーダー年鑑」によると、1969年以降の年末5営業日と年初2営業日を合わせた「サンタクロース・ラリー」の平均上昇率は1.3%。新型コロナウイルスは引き続き猛威を振るっていますが、来年への不安よりも期待の方が勝っていると信じるのなら、サンタさんはほほ笑み続けるのかもしれません。以下は一日を始めるにあたって押さえておきたい5本のニュース。

運休相次ぐ

ユナイテッド・エアラインズ・ホールディングスなど旅行関連銘柄が下落。新型コロナの感染拡大でクリスマスホリデーに空の便の運休が相次いだことが響いた。米国ではクリスマスの週末に2800便余りのフライトがキャンセルとなり、多くの旅行者に支障を来した。オミクロン変異株を中心とするコロナ感染拡大の波で乗員不足に陥ったことが背景にある。26日には北西部での悪天候も困難な状況を増幅させた。

利上げしても

米金融当局が来年に利上げを開始しても、株式市場への支援は当面続くとクロスマーク・グローバル・インベストメントのチーフ・マーケット・ストラテジスト、ビクトリア・フェルナンデス氏は予想している。打撃が実際に及ぶのは2度目もしくは3度目の利上げ以降になると指摘。「実質金利が非常に低いため、これが上昇するまでにしばらく時間がかかる。株式相場は現行水準よりはやや下がり始めると思われるが、この低金利でしばらくバリュエーションが支えられるだろう」と分析した。

ワクチン義務化も

バイデン米大統領の首席医療顧問を務める米国立アレルギー感染症研究所(NIAID)のファウチ所長は、国内便搭乗前に新型コロナウイルスワクチン接種を義務づけることを「検討するのは妥当だ」と話した。ニューヨーク州は学校での対面式授業を継続する取り組みの一環として、家庭用コロナ検査キット計300万-350万セットを各学区に送る計画。州当局者が27日に明らかにした。

CEOの懸念

企業の最高経営責任者(CEO)など経営トップを対象に実施した最新の調査では、ビジネスの混乱によって2022年に職を失うことを心配しているとの声が全体の74%になった。調査元のコンサルティング会社、アリックス・パートナーズのサイモン・フリークリーCEOは「目を見張るほど高い」と指摘。昨年調査では52%だった。経営者の懸念事項の上位を占めたのはサプライチェーン、労働市場、デジタル化。一方で新型コロナウイルスを主な懸念材料として挙げたのはわずか3%だった。

売却禁止報道

中国配車サービス大手の滴滴グローバルが下落。英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)は滴滴が現・元従業員に対し、保有する自社株の売却を無期限に禁止する措置を講じたと報じた。6月の新規株式公開(IPO)後180日間売却を制限するロックアップ期間の終了日が27日となっており、これと同日に従業員による保有株の売却禁止措置が講じられたことになる。FTによれば、ソフトバンクグループといった外部投資家は27日に株式を売却することが可能だが、多額の損失を被る可能性が高いという。

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