[ニューヨーク 13日 ロイター] – ニューヨーク外為市場では、ドル指数が2カ月ぶり安値を付けた。前日発表された昨年12月の米消費者物価指数(CPI)の上昇率が市場予想を超えず、米連邦準備理事会(FRB)の金融政策正常化を巡り新たな手掛かりを示さなかったことが引き続き材料視された。
主要6通貨に対するドル指数は0.2%安の94.791と、昨年11月10日以来の安値に沈んだ。週初からは約1%下落している。
TDセキュリティーズのシニアFXストラテジスト、メーゼン・イッサ氏は「今年に入り、ドルのポジションはロングに偏っている」と指摘。「前日発表されたインフレ指標、および(11日の)パウエルFRB議長の発言からは実質的に新たな材料は示されなかった」と述べた。
12日に発表された12月のCPI(季節調整済み)は前年同月比7.0%上昇と、11月の6.8%上昇から加速し、1982年6月以来39年6カ月ぶりの高い伸びとなった。ただ上昇率はロイターがまとめたエコノミストと一致した。
パウエルFRB議長は11日、上院銀行委員会で開かれた議長再任指名に関する公聴会で証言し、米経済はFRBによる大規模な刺激策を「もはや必要としておらず」、現在見られる新型コロナウイルス感染者の急増に伴う「短期的」な影響を切り抜ける見通しで、FRBが年内に計画する金融引き締めに対する準備が整っているという見解を示した。
また、ブレイナードFRB理事は13日、上院銀行委員会で開かれた副議長昇格に関する公聴会で証言を行い、約40年ぶりの高水準にあるインフレ率を制御することがFRBの「最重要の責務」との考えを示した上で、3月に想定される量的緩和の縮小(テーパリング)終了「次第」、FRBは年内に複数回の利上げを開始できると言及した。
13日に発表された12月の卸売物価指数(PPI、最終需要向け財・サービス)は前月比0.2%上昇と、20年11月以来13カ月ぶりの小幅な伸びとなった。サプライチェーン(供給網)の問題が緩和し始める中、20年4月以降で初めて財(モノ)の価格が下落したためで、インフレがピークに達した可能性を示唆した。
また、前出のTDセキュリティーズのイッサ氏は、ユーロ/ドルが12日に昨年11月半ば以来初めて1.14ドルの水準を上抜けたことで、テクニカル要因によるドル売り圧力が高まったとも指摘した。
英ポンドは対ドルで0.11%高の1.372ドルと、昨年10月終盤以来の高値を付けた。英経済が新型コロナ感染者急増の影響を切り抜け、イングランド銀行(英中央銀行)が早ければ来月にも追加利上げに踏み切るという観測が追い風となっている。
リスク動向を反映しやすい豪ドルは対米ドルで0.07%高の0.7289米ドルと、11月半ば以来の高値を更新。カナダドルも対米ドルで3日続伸した。
暗号資産(仮想通貨)のビットコインは2.71%安の4万2743.01ドル。
ドル/円 NY午後4時 114.13/114.16
始値 114.50
高値 114.54
安値 114.01
ユーロ/ドル NY午後4時 1.1452/1.1453
始値 1.1462
高値 1.1481
安値 1.1448