[東京 17日 ロイター] – 三菱UFJ銀行が日本銀行に預けている当座預金の一部にマイナス金利が適用されたことが17日、分かった。マイナス金利の適用は三菱UFJ銀では初めて。同行の広報担当者は適用対象となる残高について「3000億円程度」と述べている。
日銀の当座預金は、プラス0.1%が付く「基礎残高」、金利ゼロ%の「マクロ加算残高」、マイナス0.1%の金利が付く「政策金利残高」の3階層に区分されている。基礎残高とマクロ加算残高の合計を超える金額が政策金利残高として扱われ、マイナス金利が適用される仕組み。
三菱UFJ銀によると、企業の余剰資金増加や政府による家計への給付金などで、円預金が貸し出しを上回るスピードで増加したという。同担当者は「これが常態化するかはまだ分からない」としている。
日銀が17日公表した業態別の日銀当座預金残高(12月、速報値)によると、12月積み期(12月16日─1月15日)の都市銀行の当座預金残高186兆4470億円のうち、マイナス金利適用残高は2730億円だった。日銀では、個別銀行の動向は明らかにしておらず、全額が三菱UFJ銀のものかは確認できていない。
同資料の確報値では、21年10月にも大手行に156億円のマイナス金利が適用されていたことも明らかになった。日銀の時系列データによると、この時点で、2016年5月以来5年5カ月ぶりに都市銀行へマイナス金利が適用されていたことになる。 (杉山健太郎)