政府は17日、新型コロナウイルスの感染が拡大している東京と埼玉、千葉、神奈川、岐阜、三重の1都5県に、緊急事態宣言に準じた措置が可能となる「まん延防止等重点措置」を適用する方針を固めた。1都5県から同日、適用要請を受けた。新潟や熊本など5県への適用も検討しており、19日にも、計11都県への適用を決定する。

 21日にも適用する。期間は3週間程度とする案が浮上している。11都県が追加されれば、対象は既に適用している広島、山口、沖縄と合わせて計14都県となる。

 東京と埼玉、千葉、神奈川の4都県は適用要請に先立つ17日午後、テレビ会議を開き、4都県が連携して対処することを確認した。会議で小池百合子都知事は「1都3県は一つの経済圏、生活圏を構成している。地域の実情に応じた対策を一体となって進めていくことが重要だ」と語った。4都県は今後、飲食店の営業時間の短縮幅や酒類提供の有無など、重点措置下で行う具体的な措置内容を詰める。

 都は、コロナ病床使用率が20%に達した段階で重点措置の要請を検討するとの基準を示していた。都内では年明けから感染者が加速度的に増え、都によると1日に3・3%だった病床使用率は17日時点で21・1%まで上昇し、基準を超えた。

 愛知、岐阜、三重の東海3県知事も17日、オンライン会議を開き、適用要請を決定。岐阜、三重両県は17日夜に要請した。愛知県は18日にも要請する。

 政府は18日中に関係閣僚会議で適用方針を確認し、19日に専門家らによる基本的対処方針分科会と政府対策本部を開いて正式決定する方向だ。岸田首相は17日の自民党の両院議員総会で、「感染が広がるということであれば、重点措置を始めとする行動制限もしっかり行っていく」と語った。

 このほか新潟、長崎、熊本、宮崎の各県も、近く適用を要請する方向で調整している。政府は、18日に要請があれば、東京などと同時に適用を決定する。

 政府は感染状況に応じて0~4の5段階の「レベル」を設け、2番目に深刻なレベル3か、次の2で重点措置を検討するとしている。

 一方、大阪府の吉村洋文知事は17日、重点措置の適用について「京阪神一体で考えるべきだ」と述べ、近く京都、兵庫両府県知事と協議する考えを明らかにした。大阪府庁で記者団に語った。大阪府内の病床使用率は17日に28・9%に達し、府が適用要請の基準とする35%に近づいている。