「仮想通貨市場が静かに見えるほど」先週の米金融市場のボラティリティーは大きく、「船酔い」しそうだったとテーミス・トレーディングのジョー・サルッツィ氏は語っています。メタやアマゾンの決算、米雇用統計と日替わりショックでさまざまな方向に揺れたマーケットは、新しい週に入って落ち着きを取り戻すでしょうか。10日に発表される1月の米消費者物価指数(CPI)が鍵になりそうです。エコノミストの予想では今のところ、前年同月比で7.3%上昇、コア指数は同5.9%上昇となっています。以下は一日を始めるにあたって押さえておきたい5本のニュース。
初志貫徹
イエレン米財務長官は就任から1年余りを経て、「重要な仕事がまだ大量に残っている」とブルームバーグ・ニュースに文書でコメント。「近い将来に財務省を去る計画は一切ない」と言明した。同氏がまとめた世界的な法人税改革合意は、米議会がまだ承認していない。バイデン大統領の税制・支出法案(BBB=ビルド・バック・ベター)も議会で行き詰まっている。昨年3月に成立した1兆9000億ドル(現行レートで約218兆円)規模の「米国救済計画(ARP)」は、高インフレがその評価に影を落としている。
タカ派
欧州中央銀行(ECB)の政策委員会メンバー、クノット・オランダ中銀総裁は早ければ第4四半期(10-12月)中の利上げを見込んでいると、オランダのテレビ番組で明らかにした。借り入れコストは通常0.25ポイントの幅で引き締められるとし、「今回これと異なった考え方をする理由はない」と発言。2回目の利上げは2023年の春に実施することが可能だと述べた。ECB高官の中でタカ派に位置するクノット氏は、ユーロ圏インフレ率が2022年の大部分において4%を上回って推移するだろうと述べた。
お墨付き
米民主党中道派のマンチン上院議員は選挙改革法案の可決を予想していることを明らかにした。同法案は大統領選の結果を認定する議会の役割を含む選挙手続きを見直す内容。マンチン氏はCNNで、「確実に通過するだろう」と発言。同番組のインタビューに同席した共和党のマカウスキ上院議員は「前進になるのか、米国にとって重要かと問われれば、答えはイエスだ」と述べ、両氏は超党派の議員が改革に取り組んでいると説明した。
透明化
プライベートエクイティー(PE、未公開株)投資会社は米証券取引委員会(SEC)が検討する規制の下、投資家に負担させる手数料について詳細な開示を義務付けられる。事情に詳しい関係者が明らかにした。SECが今週提案する規制変更は、情報提供の頻度についても対応していると関係者の1人は述べた。ゲンスラーSEC委員長はPE業界の手数料が不透明で高過ぎるとこれまで指摘し、年金基金などの投資家は最良条件で取引ができていない状況を示唆していた。SECはコメントを控えた。
リスク低下へ
中国国家発展改革委員会(発改委)は国外の金融政策の変化で世界的な商品相場の上昇が弱まれば、中国のインフレは引き続き穏やかだろうとの2022年見通しを発表した。発改委は新型コロナウイルスと世界的な供給不足による混乱が収束し、それに伴い同国のインフレリスクが今年は低下するとみている。発表文によると、消費者物価指数は今年緩やかに上昇する見込み。生産者物価指数も昨年の8.1%上昇後、今年は鈍化すると発改委は予想。
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