1月の全国消費者物価指数(生鮮食品を除くコアCPI)は前年比0.2%上昇した。電気代や都市ガス代を含むエネルギー価格の上昇を中心に5カ月連続でプラスとなったが、前月(同0.5%上昇)から伸び率は縮小した。市場予想は同0.3%上昇だった。総務省が18日発表した。

  海外の主要中央銀行がインフレ高進で金融引き締めに転じる中、日本の物価動向と金融政策の行方が注目を集めている。4月以降は携帯電話通信料の値下げの影響がはく落するが、日本銀行のコアCPI見通しは2022、23年度とも1.1%上昇にとどまる。日銀は2%の物価目標達成まで現行緩和策を粘り強く続ける方針を示している。

キーポイント
・全国コアCPIは前年比0.2%上昇(ブルームバーグ調査の予想中央値は0.3%上昇)ー前月は0.5%上昇
・生鮮食品とエネルギーを除く全国コアコアCPIは1.1%低下(予想は1.0%低下)ー前月は0.7%低下
・総合CPIは0.5%上昇(予想は0.6%上昇)-前月は0.8%上昇

背景

  • 全国の物価の先行指標となる1月の東京都区部のコアCPIは前年比0.2%上昇となり、前月の同0.5%上昇から伸び率が縮小した
  • 宿泊料が割り引きされていたGoToトラベル停止の反動で押し上げに寄与していた部分が剥落し、CPI全体を下押し。電気代を中心としたエネルギー価格の押し上げ寄与は継続
  • 日本銀行の黒田東彦総裁は16日の衆議院予算委員会・第一分科会で、日本の消費者物価は0.5%程度とし、「金利を上げる必要があるとは考えていない」と語った