［ブリュッセル　１日　ロイター］ – ウクライナのゼレンスキー大統領は１日、欧州議会の緊急会合でビデオ形式で演説し、ロシアによる攻撃が続く中、欧州連合（ＥＵ）が「ウクライナと共にあることを証明してほしい」と訴えた。

ゼレンスキー大統領は前日、ＥＵ加盟を正式に申請する文書に署名。この日の演説で「ウクライナは欧州の対等なメンバーになるために戦っている」とし、 「（ＥＵが）ウクライナと共にあると証明してほしい。ウクライナを手放さないと証明してほしい。ＥＵはウクライナと共に一段と強くなる」と述べた。

ＥＵのミシェル大統領はゼレンスキー氏の演説を受け、ＥＵはウクライナの「正当な」加盟申請を真剣に検討する必要があると表明。ただ「（ＥＵ拡大について）欧州内で異なる見解が存在していることは承知しており、困難が予想される」との見方も示した。

欧州委員会のフォンデアライエン委員長は、ロシアのプーチン大統領がウクライナ侵攻を決定したことで、むしろ各国がロシアに対して結束する結果になったと指摘。「プーチン大統領がＥＵの分断化、北大西洋条約機構（ＮＡＴＯ）の弱体化、国際社会の破壊を目指していたとすれば、結果的に全く逆の結果になった」と述べた。

ゼレンスキー大統領はロシア侵攻開始後も首都キエフにとどまり、防衛戦を指揮。中・東欧８カ国の首脳は前日、ウクライナを直ちにＥＵに加盟させるよう公開書簡を公表した。

ＥＵ議会がこの日に採決を行う文書の草案によると、ＥＵ議員はロシアを「ならず者国家」に指定することなどで合意する見通し。