Shopping at a grocery store in San Francisco. Photographer: David Paul Morris/Bloomberg

2月の米消費者物価指数(CPI)は伸びが一段と加速し、前月に続いて40年ぶりの高い伸び率となった。ガソリンや食品、住宅関連のコスト増が影響した。ロシアによるウクライナ侵攻を受け、インフレは今後さらに高進するとみられる。

キーポイント
・総合CPIは前年同月比7.9%上昇-前月は7.5%上昇
 ・1982年以来の大きな伸び
 ・ブルームバーグ調査のエコノミスト予想中央値と一致
 ・前月比では0.8%上昇(市場予想と一致)
・変動の大きい食品とエネルギーを除くコアCPIは前年同月比6.4%上昇-前月6%上昇
 ・市場予想と一致
 ・前月比では0.5%上昇(市場予想と一致)

  米インフレは2月にピークを付けるとの見方がこれまであったが、一部のエコノミストは現在、CPIが前年同月比8%を上回る伸びになると予想している。ウクライナでの戦争およびロシアからのエネルギー輸入を米政権が禁止したことで、米国ではガソリン小売価格や他の商品(コモディティー)の価格が記録的な高水準に上っている。

  バークレイズの米国担当チーフエコノミスト、マイケル・ゲーペン氏はブルームバーグテレビジョンに対し、「インフレが向きを変えて下がり始めるのはさらに数カ月先になるだろう」と指摘。「この戦争がいつまで続くのか、ロシアへの制裁が実際どの程度破壊的なものになるのかを見極める必要がある」と述べた。

  ロシアによるウクライナ侵攻で、今後1年の米利上げサイクルは不透明感を増す。ブルームバーグ・エコノミクスのアナ・ウォン、アンドルー・ハスビー両氏は「米金融当局が漸進的アプローチをとれば高くつく」とし、「いま漸進的に対応すれば、後でより急激な対応をすることになりかねない」と指摘した。

  2月は項目別に見ると、ガソリンが前月比6.6%上昇し、CPI全体の前月比上昇分のほぼ3分の1を占めた。ロシアの侵攻は2月下旬に始まったため、その後のエネルギー価格急騰が一部反映された可能性がある。戦争が物価に及ぼす影響については、3月分のCPIでより明確に把握することになる。

  食品は同1%上昇と、2020年4月以来の大きな伸び。前年同月比では7.9%上昇し、1981年以来の大きさだった。

実質平均時給

  労働市場の需給逼迫(ひっぱく)に伴い賃金は上昇しているが、インフレには追い付いていない。別に発表されたデータによると、2月のインフレ調整後の実質平均時給は前年同月比2.6%減少。昨年5月以来の大幅減で、11カ月連続のマイナスとなった。

  CPI項目の中でもより構造的な部分とみられる住居費は前月比0.5%上昇と、昨年11月以来の大きさ。家賃が0.6%上昇と、1987年以来の大きな伸びとなった。

  2月はまた、財の価格が前年同月比13%上昇と1980年以来の上昇率を記録。サービスは同4.8%上昇で、91年以来の大きさだった。

  統計の詳細は表をご覧ください。

原題:U.S. Inflation Hit Fresh 40-Year High of 7.9% Before Oil Spike(抜粋)