[ロンドン 15日 ロイター] – 英政府は15日、ロシアへの高級品の輸出を禁止するとともに、ウォッカ、金属、肥料など9億ポンド(12億ドル)相当のロシアからの輸入品に新たに35%の関税を課すと発表した。

ウクライナに侵攻したロシアへの追加制裁措置。ロシアのプーチン大統領を支えていると見られる多数の富裕層に対する追加制裁も発表した。

制裁の対象としたのは大統領経験者のドミトリー・メドベージェフ氏のほか、ショイグ国防相、ペスコフ大統領報道官、ザハロワ外務省報道官らに加え、富豪のミハイル・フリードマン氏やピョートル・アベン氏ら。英政府は、今回の制裁措置の対象となった「ロシア政治エリート」の中には、純資産が1000億ポンド(1306億3000万ドル)を超える者も含まれているとしている。

トラス外相は声明で、主要なオリガルヒ(新興財閥)を含むプーチン大統領の取り巻きを対象とした制裁を加速化させるとし、「同盟国と緊密に連携し、ロシアの戦争資金を断ち切る」と表明した。

スナク財務相は「新しい関税は、ロシア経済を世界貿易からさらに孤立させ、ロシアが尊重しないルールに基づく国際システムの利益を受けられないようにする」と声明で表明。輸出禁止の影響を受ける製品は今後明示するとしたが、高級ファッション製品、美術品、高級車などが含まれるとしている。

35%の追加関税の対象は、英国への影響を最小限に、ロシア経済への影響を最大とするよう選ばれたと説明。対象品目は、鉄鋼、肥料、木材、タイヤ、鉄道コンテナ、セメント、銅、アルミニウム、銀、鉛、鉄鉱石、食品残留物、飲料、穀物、機械、美術品、アンティーク用品、毛皮、船舶など。

ロシアとベラルーシへのあらゆる輸出金融支援を撤回するとも表明した。