[ニューヨーク 16日 ロイター] – ニューヨーク外為市場で はドルが下落。米連邦準備理事会(FRB)が2018年12月以来3 年3カ月ぶりの利上げを決定したものの、一段とタカ派的なサプライズ に欠いたことで、ドルは売られる展開となった。

主要6通貨に対するドル指数は最大0.6%安。2月終盤に始まっ たロシアのウクライナ侵攻以降は3%上昇していた。

FRBは15─16日に開いた連邦公開市場委員会(FOMC)で 、フェデラルファンド(FF)金利の誘導目標を0.25%ポイント引 き上げ、0.25─0.50%とすることを決定。同時に、年末時点で の金利見通しを1.75─2.00%とし、インフレ抑制に向け積極的 な姿勢を示した。

シルバー・ゴールド・ブルのエリック・ブレガー氏は、予想されて いた以上に「タカ派的な驚きはなかった」と指摘した。

ウェルズ・ファーゴ・セキュリティーズのストラテジストは、FR Bから出されたコメントは「非常にタカ派」で、ドルへの支援材料とな るはずだったとしつつも、ドル指数の下落はFRBのレトリックがさらにタカ派的とならなかったことへの失望感を反映している可能性がある という見方を示した。

終盤の取引で、ユーロは0.7%高の1.1032ドル 。 英ポンドも0.7%上昇。市場では、イングランド銀行(英 中央銀行)が17日の金融政策委員会(MPC)でほぼ確実に追加利上げを決定するとの見方が出ている。

ウクライナとロシアの停戦への期待も、ユーロとポンド押し上げに つながった。

 ドルは対円では0.4%高の119.13円と、約6年 ぶり高値を更新。日銀は17─18日の金融政策決定会合で、現行の金融緩和政策の継続を決定するとみられている。

ロシアはこの日、ウクライナとの和平交渉で妥協案として、ウクラ イナがオーストリアのように限定的な自国軍を持ちつつ「中立的」な立場にとどまることが検討されていると表明。ロシア側の交渉責任者であ るメジンスキー大統領補佐官は国営テレビに対し「ウクライナはオーストリアやスウェーデンのように、中立的な非武装国でありながらも、同時に自国の軍隊や海軍を持つ国家像を提案している」と語った。

 ロシアルーブルは対ドルで7%安。豪ドルは1.3%高の0.7288米ドル。

暗号資産(仮想通貨)のビットコインは5%高の4万1 186ドル。

ドル/円 
 NY終値 118.72/118.75
   始値 118.30
  高値 119.12
  安値 118.20

ユーロ/ドル
 NY終値 1.1032/1.1034
始値 1.0999
  高値 1.1046
   安値 1.0951