[ニューヨーク 17日 ロイター] – ニューヨーク外為市場では、米連邦準備理事会(FRB)による前日の利上げが消化される中、ドルが軟調となったほか、ロシアとウクライナの和平交渉の行方をにらみながら、ユーロは上昇した。

CIBCキャピタル・マーケッツの北米為替戦略部長、バイパン・レイ氏は、「昨日の力強いメッセージは、FRBが利上げに踏み切り、主にインフレ圧力の上昇を懸念しているというものだった」と指摘。「市場は、FRBが現在このような見方をしてはいるものの、今後数四半期で変わる可能性があるという賭けに出ているもようで、短期金利市場にはすでに多くのことが織り込まれている。その一部が巻き戻されつつあり、それがドルの圧迫要因の一つだ」と分析した。

主要6通貨に対するドル指数は0.5%安の97.980と、1週間ぶりの安値。ただ年初来では2.4%値上がりしている。 ユーロ/ドルは0.5%高の1.1095ドルで、3月上旬以来の高値。ロシアとウクライナは和平交渉に「真剣に取り組んでいる」が、双方の間には依然として「非常に大きな隔たりがある」と、欧米当局者が明らかにした。

ロシアルーブルはモスクワでの取引で上昇し、オフショアではやや弱含みの展開となった。

原油価格は、ロシアへの制裁により今後数週間の供給不足に改めて注目が集まる中、8%上昇した。

ユーロは英ポンドに対して上昇し、2月上旬以来の高値。イングランド銀行(英中銀)は予想通り金利を引き上げたが、さらなる利上げの必要性については表現を軟化させた。

ドル/円は0.1%安。日銀の黒田東彦総裁は、エネルギー価格の上昇が反映されても物価上昇率が2%の目標を安定的に実現する状況にはないと指摘。金融政策の出口戦略の議論は時期尚早だと改めて強調した。

ドル/円 NY終値 118.59/118.60

始値 118.57

高値 118.84

安値 118.38

ユーロ/ドル NY終値 1.1089/1.1093

始値 1.1045

高値 1.1137

安値 1.1041