蔓延防止等充填措置が全国的に解除されて初めての日曜日となった昨日、孫の子守りを頼まれた。1日孫と遊んで夕食、久しぶりにお好み焼きをみんなで囲もうということになって準備がはじまる。はたと気がつくとオタフクのお好み焼きソースがない。これがないお好み焼きは「お好み焼きではない」。自ら宣言し近くにある地元の小さなスーパーに買いに行った。急いで孫宅を出たせいかマスクを忘れる。すでに陽は落ち周囲は夕闇に包まれている。6時を過ぎていたが、この時間でも店内はそれなりに混み合っている。その時、はたと気がついた。みんなマスクをしている。念のためにマスクをしていない人を探してみた。皆無だ。途端に肩身の狭い思いに襲われる。だが、如何ともし難い。左手で口を覆いながらオタフクを探す。小さなスーパーだが滅多に来ない店。どこに何があるかまるでわからない。オタフクを探すのに時間がかかる。周囲を見ても店員はいない。何か悪いことをしているような気がしてくる。
以上は昨日遭遇した一場面。考えてみれば「まん延防止等重点措置」が全面的に解除されたのは21日だ。あれからもう一週間近くが経っている。強いて言えば、“まん防”全面解除後初の日曜日に過ぎない。それでも買い物客は全員マスクをしている。スーパーが面している通りは桜並木。ライトアップされた桜並木に夜桜見物の人々が溢れている。ここでも全員がマスクをしている。マスクをしていないのは自分だけ。欧米ではマスクをしない自由を求めてデモまで行われている。それに比べ日本では、マスクをしない自由など誰も求めない。むしろ、しないことに伴う圧迫感の方が遥かに強い。マスクだけではないだろう。三密回避もキープディスタンスも日本人は難なくこなす。感染症対策の優等生といっていいのではないか、そんな印象を強くした。こんな国民に支えられた政府も専門家会議も恵まれている。コロナ対策は立てやすい。行動変容はすでに日常生活の中に定着している。
第6次感染症のピークは過ぎた。ワクチン接種も3回目がようやく軌道に乗り始めている。長かったコロナとの闘いがこれを機に収束に向かうことを切に期待したい。だが、状況は決して楽観を許さない。ゼロコロナの中国で感染が急ピッチに拡大している。上海市は今日から市を東西に分割して実質上のロックダウンに突入する。欧米でもオミクロン変異種のBA2の感染が徐々に拡大する兆しを見せている。日本でも第6次の収束とともに、第7次が始まっている可能性もある。その時政府と専門家会議は再々再度、行動変容の強化を訴えるのだろう。日本人の日常生活における行動は完全に変容している。そんなことを心配する必要はない。もっと別の対策に専念すべきだ。欧米はマスクの着用にエネルギーを割かざるを得ない。それがない日本、コロナ根絶に向けた抜本対策に注力すべきではないか?マスク不着用の重圧からそんなことを感じた。
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