【ワシントン時事】米国防総省高官は6日、ウクライナに侵攻したロシア軍が首都キーウ(キエフ)と北部チェルニヒウ周辺から完全に撤収したとの分析結果を明らかにした。隣国ベラルーシで弾薬や燃料の補給と兵士の補充を行い、ウクライナ東部ドンバス地方の戦場に再配置されるとみられる。
高官は、ロシア軍の地上部隊「大隊戦術群(BTG)」約20個がそれぞれキーウとチェルニヒウの攻撃に参加していたが、「過去24時間で完全に撤収した」と指摘。ロシア軍はウクライナ侵攻作戦にBTG計約130個を投入しており、いまだ全体の6割に当たる80個以上が東部や南部に残っていると分析した。
BTG1個は兵士800~1000人で構成される。ロシア軍が主な制圧目標として掲げたドンバス地方には、30個以上のBTGが展開しているという。
高官は「地上部隊が撤収したことで、首都への地上侵攻の危険は今のところなくなった」と指摘。ただ、ロシアの長期的な戦略目標は不透明だと述べ、再びキーウが攻撃の標的となる可能性も排除できないと警告した。