ロシアによるウクライナに対する軍事侵攻が続いています。

ウクライナの各地でロシア軍とウクライナ軍が戦闘を続けていて、大勢の市民が国外へ避難しています。戦闘の状況や関係各国の外交などウクライナ情勢をめぐる17日(日本時間)の動きを随時更新でお伝えします。

(日本とウクライナ、ロシアのモスクワとは6時間の時差があります)

ウクライナからの国外避難者は486万人余り(UNHCR 16日時点)

UNHCR=国連難民高等弁務官事務所のまとめによりますと、ロシア軍の侵攻を受けてウクライナから国外に避難した人の数は、16日の時点で486万人余りとなっています。
主な避難先は、
▽ポーランドがおよそ276万人、
▽ルーマニアがおよそ73万人、
▽ハンガリーがおよそ45万人、
▽モルドバがおよそ42万人などとなっています。
▽ロシアに避難した人は、14日の時点でおよそ48万人となっています。

ウクライナ副首相「避難ルート設置 何度もロシア側に要求」

ウクライナのベレシチュク副首相は東部のマリウポリについて17日、SNSに「民間人、特に女性と子どもを避難させるためのルートの設置を何度もロシア側に要求している」と述べました。
マリウポリのボイチェンコ市長は4月13日、「10万人以上が市内に残り、避難できるのを待っている」とオンラインの会見で明らかにしていて、いまも市内に多くの人が残っているとみられます。

ウクライナ軍「一般市民への略奪や暴力 ロシア軍司令部が奨励」

ウクライナ軍は17日、現在の戦闘などの現状について広報担当者が説明した動画を公開しました。
この中で担当者は「ロシア軍はマリウポリへの空爆を続けた。ロシア軍が占領した地域では、一般市民に対する略奪や暴力行為が続いていて、こうした行為はロシア軍の司令部によって奨励されている」と述べています。
また、ロシア軍の状況については「ウクライナ国内にいるロシア軍の部隊は、補給に関して深刻な問題を抱えている。兵士は、交代がないことや装備品の故障、それに燃料や食料の質に対し、常に不満を持っている」と分析しています。

キーウ近郊 ブロバリ市長「市のインフラ施設にミサイル」

ウクライナの首都キーウ近郊にあるブロバリの市長は17日、SNSで「市のインフラ施設にミサイルが落ちた。上下水道や電気、それにガスに問題が起きる可能性が高い」としたうえで「現在、担当者が復旧作業を進めていて、できるだけ、今夜までに必要なインフラを復旧するつもりだ。戦争は続いているが落ち着いて行動してほしい」と市民に呼びかけました。

英国防省 “ロシア軍がウクライナ東部掌握へ軍備増強”

イギリス国防省は17日、ウクライナでの戦況分析を公表し「ロシア軍はベラルーシからウクライナ東部に戦闘用の装備や支援機材の再配置を続けている」として、ロシア軍が東部の掌握に向けて軍備の増強を続けていると指摘しています。
そして「ロシア軍は東部にあるウクライナ軍の陣地に砲撃を続けている」としたうえで「ロシア軍は東部に作戦の重点を移したが、ウクライナに欧米寄りの姿勢を放棄させ、ロシアの支配を確立するという最終的な目的は変わっていない」という見方を示しました。

ロシア マリウポリのウクライナ部隊に降伏迫る

ロシア国防省は17日、SNSのテレグラムにメッセージを投稿し、ウクライナ東部の要衝マリウポリの守備にあたるウクライナ側の部隊に対して、17日、現地時間の午前6時、日本時間の正午以降、武装を解除し降伏するよう迫りました。
またロシアのタス通信は、ロシア国防省の高官が、現地時間の17日午後1時、日本時間の午後7時までに、武器を置いて退去するよう、ウクライナ兵に求めたと伝えています。
国防省はSNSの投稿で「武器を置いた者は、全員、命を保証する」としたうえで「キーウの司令部から、そのような命令が来ないことを われわれは理解している。兵士がみずから決断し、武器を置くことを求める」と呼びかけており、マリウポリでの劣勢が伝えられるウクライナ側の兵士の士気を低下させる狙いもあるとみられます。

ドイツでデモ ロシアからのエネルギー輸入禁止など訴え

ロシアによるウクライナへの軍事侵攻に抗議するデモがドイツで行われ、大勢の人たちが、戦闘の停止を求めるとともに、ドイツはロシアからのエネルギーの輸入をやめるべきだと訴えました。
デモは、ドイツのウクライナ系住民などの団体が呼びかけ、首都ベルリンの中心部の広場にはおよそ700人が集まりました。
侵攻のあとウクライナから避難している人も多く参加していて「戦争をやめろ」とか、「ウクライナを助けて」と書かれたプラカードを掲げ、支援を訴えていました。
またドイツは、天然ガスなどエネルギーの輸入のうちロシアが占める割合が高いことから「輸入を禁止しろ」というシュプレヒコールが繰り返され、ロシアへの圧力の強化を訴えていました。

ハルキウ ロシア軍のミサイル攻撃で1人死亡

ウクライナ東部のハルキウ州のシネグボフ知事は、ウクライナ第2の都市ハルキウの中心部が16日、ロシア軍のミサイル攻撃を受け、少なくとも1人が死亡、18人がけがをしたと、SNSで発表しました。

現地の映像では、建物や車が破壊されて一面に煙が立ちのぼり、消防や警察が駆けつけ、消火活動が行われていました。そして路上に倒れたけが人に応急処置を施し、次々と救急車に乗せていました。

攻撃の現場を目撃した男性の市民は「2人の市民が通りを歩いていたところ、近くに突然、ミサイルが着弾した」と話していました。

マリウポリの死者多数なら「停戦交渉中止も辞さない」

ウクライナのゼレンスキー大統領は、16日、ウクライナメディアのインタビューに応じ「マリウポリの状況は非常に困難で、われわれの軍は包囲され、食べ物も水も薬もない人道的な危機に陥っている。ロシア兵はウクライナ兵に憎悪の感情を持っていて、命を救うことはないだろう」と危機感を示しました。

そのうえで「もしわれわれの軍がせん滅されれば、すべての交渉が打ち切られるだろう」と述べ、今後、マリウポリの部隊に多くの死者が出た場合には、ロシア側との停戦交渉の中止も辞さない構えを強調しました。

国外避難民483万人余りに 国連まとめ

UNHCR=国連難民高等弁務官事務所のまとめによりますと、ロシア軍の侵攻を受けてウクライナから国外に避難した人の数は、15日の時点で483万人余りとなっています。

主な避難先は
▼ポーランドがおよそ274万人、
▼ルーマニアがおよそ73万人、
▼ハンガリーがおよそ45万人、
▼モルドバがおよそ42万人などとなっています。

また、ロシアに避難した人は、14日の時点でおよそ48万人となっています。

「核兵器使用を起こさないよう圧力を」ゼレンスキー大統領

ウクライナのゼレンスキー大統領は16日、動画を公開し「ロシアが核兵器を使うのを、ただ待つべきではない。世界各国は、シェルターなどさまざまな方法で備える必要がある」と述べ、各国に警戒を呼びかけました。

そして「ロシアが核兵器の使用という考えを起こさないよう、交渉を行うとともに経済に圧力をかけるべきだ。ロシアはどんな兵器でも使いかねない国で、絶対に信用してはいけない」と述べ、制裁のさらなる強化が不可欠だという考えを示しました。