[ニューヨーク 22日 ロイター] – ニューヨーク外為市場では、前日のパウエル連邦準備理事会(FRB)議長の発言が引き続き支援要因になり、ドル指数が約2年ぶりの高水準を付けた。

主要6通貨に対するドル指数は一時101.33と、2020年3月以来の高値を更新。終盤の取引では0.6%高の101.16。1日の上げ幅としては3月半ば以来の大きさとなった。年初からの上昇率は5.7%。

パウエルFRB議長は前日、インフレ率がFRB目標である2%の約3倍に達していることから、「もう少し迅速に動くことが適切だ」とし、5月3─4日の連邦公開市場委員会(FOMC)で50ベーシスポイント(bp)の利上げが「検討される」と述べた。

これを受け、市場では5月、6月、7月の会合でそれぞれ50bpの利上げが決定されるとの見方が織り込まれ始めている。

BNPパリバ(ニューヨーク)のカルバン・ツェ氏は「FRBが50bpの利上げを連続して実施したとしても、中立金利の下限、もしくは中立金利を下回る水準に達するにすぎない」とし、「こうした一連の利上げ後も、政策は緩和的であるため、過度の引き締めとは感じられないだろう」と述べた。

ユーロは0.4%安の1.0792ドル。欧州中央銀行(ECB)のラガルド総裁は前日、ロシアによるウクライナ侵攻が家計や企業に重くのしかかる中、成長見通しをさらに引き下げなくてはならない可能性があると発言。この日は、ECBは年内に利上げを実施する可能性が高いと述べた。

英ポンドは一時1.2830ドルと、20年10月以来の安値を更新。その後は1.5%安の1.2832ドル。

ドルは対円で0.2%高の128.55円。20日に付けた02年4月以来の安値(129.43円)近辺にとどまっている。

年初から円は対ドルで10%を超えて下落しており、米財務省はこの日、イエレン財務長官と鈴木俊一財務相が21日の二国間協議で外国為替市場の動向について議論したと明らかにした。

ドル/円 NY終値 128.56/128.59

始値 128.45

高値 129.10

安値 128.14

ユーロ/ドル NY終値 1.0794/1.0796

始値 1.0815

高値 1.0844

安値 1.0771