[ニューヨーク 26日 ロイター] – ニューヨーク外為市場では、ドル指数が2年ぶりの高値を付けた。中国の成長減速懸念のほか、米連邦準備理事会(FRB)の積極利上げ観測を背景に、ドルに対する需要が高まっている。

円が先週、対ドルで約20年ぶりの安値を付ける中、政府・日銀が介入に動くのではないかとの観測から、円も上向いた。

新型コロナウイルス感染拡大に歯止めがかからない中国では、上海市が約1カ月にわたり厳しいロックダウン(都市封鎖)下に置かれているほか、北京市は25日、市内最大の行政区である朝陽区で全住民・在勤者の新型コロナウイルス検査を開始。ウェルズ・ファーゴ(ニューヨーク)のマクロストラテジスト、エリック・ネルソン氏は「こうした状況がドル高に拍車をかけている」と述べた。

このほか、米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)は、中国の習近平国家主席が今年の中国経済成長率が米国を上回ることを望んでいると発言したと報道。中国政府は先月、今年の成長率目標を5.5%近辺とすると発表しており、ウェルズ・ファーゴのネルソン氏は「米国の今年の成長率は3%をわずかに上回る程度と予想されているため、目標の大幅な下方修正になる」との見方を示した。

主要6通貨に対するドル指数は0.61%高の102.30と、2020年3月以来の高値を付けた。

ユーロは0.63%安の1.0644ドルと、20年3月以来の安値を更新。ウクライナ戦争による経済への影響のほか、欧州中央銀行(ECB)はFRBほど積極的な利上げを行わないとの見方がユーロの重しになっている。

円は対ドルで0.39%上昇。27─28日に日銀金融政策決定会合を控え、ショートカバーが入ったとみられている。

みずほ(ロンドン)の金融機関外為取引部門責任者、ニール・ジョーンズ氏は「当局者が円安を懸念し、何らかの措置を取る可能性があるとの見方が出ている」と指摘。市場では、日銀が長短金利操作(イールドカーブ・コントロール、YCC)政策に何らかの変更を加えるかどうか注目されている。

英ポンドは1.20%安の1.2586ドルと、20年7月以来の安値を更新。

暗号資産(仮想通貨)ではビットコインが5.48%安の3万8226ドル、イーサが5.68%安の2835ドル。

ドル/円 NY終値 127.22/127.25

始値 127.70

高値 127.72

安値 127.04

ユーロ/ドル NY終値 1.0636/1.0640

始値 1.0687

高値 1.0694

安値 1.0637