[ニューヨーク 4日 ロイター] – ニューヨーク外為市場ではドルが主要通貨バスケットに対し下落し、1週間ぶり安値を付けた。米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長が75ベーシスポイント(bp)利上げに否定的な見方を示したことに反応した。

FRBは3─4日に開いた連邦公開市場委員会(FOMC)で、フェデラルファンド(FF)金利の誘導目標を0.50%ポイント引き上げ、6月に保有資産の縮小に着手することを決定した。

パウエル議長はFOMC後の記者会見で、次回数回の会合で50bpの追加利上げを巡り検討する見通しとしつつも、75bp利上げについては積極的に検討してるものではないと述べた。

TDセキュリティーズのシニアFXアナリスト、メイゼン・イッサ氏は「市場は五分五分の確率で7月(6─7月)までに75bpの利上げが実施されるという見方を織り込んでおり、75bp利上げの可能性が焦点となっていた」と指摘した。

主要通貨に対するドル指数はパウエル議長のコメントを受け、1週間ぶりの安値となる102.48に沈んだ。終盤の取引では0.76%安の102.62。

ユーロ/ドルは0.82%高の1.0606ドル。

一方、中国での新型コロナウイルス規制が世界的な成長鈍化や新たなサプライチェーンの混乱を巡る懸念につながり、ドルを下支えた。

中国・北京市は4日、新型コロナ感染拡大を抑えるため、数十カ所の地下鉄の駅やバス路線を閉鎖した。

また4日発表された4月のADP全米雇用報告によると、民間部門雇用者数は24万7000人増と、労働力不足が重しになり、増加幅は2020年4月以来2年ぶりの低水準となった。

6日に発表される4月の米雇用統計が注目される。

豪ドルは続伸し、2.03%高の0.7241米ドル。オーストラリア準備銀行(中央銀行)が3日、政策金利のオフィシャルキャッシュレートを25bp引き上げ0.35%としたことが引き続き材料視された。

ドル/円 NY終値 129.07/129.10

始値 129.96

高値 130.37

安値 128.64

ユーロ/ドル NY終値 1.0621/1.0625

始値 1.0529

高値 1.0630

安値 1.0512